2018年8月6日月曜日

バックギャモン


骨董市で、見知らぬ骨董屋さんの店先の、蓋がない杉の箱の中に、大きなタカラガイがありました。
あれ、どんな模様のタカラガイかしらとひっくり返して見ていたら、骨董屋さんに声をかけられました。
「箱に入ったまま、中身を見ないで買っちゃったから、何が入っているか知らないけれど、全部で300円でいいよ」
ずいぶんのんきな骨董屋さんです。
  

竹筒も手に取ってみました。
きれいに削られていて、


節のところに小さな孔が開けてありました。
「糸電話じゃないしねぇ」
「貝も竹も、なんだかさっぱりわからないよ。あぁ、200円でいいや」
「白いのと黒いのはゲームの駒みたいね。私もなんだかわからないけれど、もらっていくわ」
と、骨董屋さんに負けず劣らずののんきな私でした。


家に帰ってぶちまけてみたら、白と黒の木の駒に隠れていた、サイコロが二つ出てきました。
木の駒はよく見ると美しく、黒は塗ったものではありません。目方は白黒の駒ともに3グラムと同じなので、黒檀ではなく、黒い染料で煮て色をつけたものかもしれません。


「あら、あら」
よく見ると、サイコロは何かの角でできています。


一緒に入っていた金属のギザギザの輪っかはなんでしょう?


ゲームには詳しくないので、検索してみると、どうやらバックギャモンのよう、サイコロを使って、白黒の駒を15ずつ使うのだから、ぴったりです。蓋がないというのに、駒も失われてなかったのです。

バックギャモンは、世界最古のボードゲームだそうです。
原型は紀元前3500年頃の古代エジプトで遊ばれた、セネトと呼ばれる遊戯盤と考えられていて、ツタンカーメン王の墓からも、セネトが見つかっています。
ローマ帝国ではタブラと呼ばれ、5世紀ごろまでには改良されて、ほぼ現在の形となり、中東でもナルドの名で広まりました。
6世紀には、中国にも渡来、雙陸シュアンルー)の名前で広がり、飛鳥時代か奈良時代には、日本にももたらされ、雙六(盤双六)と呼ばれました。
みんなが夢中になりすぎるのか、いろいろなところで遊ぶのを禁止されたりしていますが、5000年以上生き延びてきました。


これがバックギャモンだということは、竹の筒は糸電話でも楊枝立てでもなく、ダイスカップなのでしょう。
サイコロを二つ入れて振ってみたら、ぴったりでした。


では、金属の輪とタカラガイは何?ただ紛れ込んだということでしょうか。
実際はサイコロがあと二つとダイスカップがもう一つで完璧なセットのようです。


タカラガイを手に取ってみたことから、思いがけないものが我が家にやってきました。







4 件のコメント:

  1. 角のサイコロがカッコイイ!

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  2. hiyocoさん
    勝手に出てきました。ガラスのサイコロ、樹脂(かな?)のサイコロは持っていますが角でつくったサイコロなんて、いつの時代でしょうね。
    木の駒もまるでプラスティックのよう(笑)によくできています。
    こうなったらボードをつくって遊ばなきゃぁね。でも、二人で遊ぶらしいから、誰と遊んだらいいのやら(笑)。

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  3. ふふふ、バックギャモンの古~いボード持っていますよ。中東の香りがプンプンする、エロチックな絵柄です。ちょっと壊れているのは漂着物だからです。遅くなりますが、そのうちに写真送ります。

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  4. のらさん
    えぇぇ、流れてきたの?
    写真を見るのを楽しみにしています(^^♪
    だけど、中東の香りがプンプンするって、イスラムでは具象は好まないので(使わないので)、たぶん中東=エロチシズムと思っているよその人が描いたものじゃないですかね。
    実際には、彼女らがスカーフを取ったりしたら色っぽいのは確かだけれど(笑)。

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