実際に使われていた道具類は、木やヒョウタンでできたものであれ、素焼きの土器であれ、いつまでもカビが生える続けるものが、多々あります。
また、ミルクやヨーグルト、バターや油などを入れていた容器は、カビるだけでなく、いつまでも臭いが残っていることもあります。
カビはその都度丁寧に洗って、そして乾かしてを繰り返すほかありません。臭いもやがて薄くなりますが、あまりにも臭気が強かったアフリカの壺を、外に何年も置いて、臭いを抜いたこともありました。
私が持っていたエチオピアの、ヒョウタンでできた小さなミルク入れは、毎年湿度の高い季節には、決まってカビが生えました。その都度洗ったりしましたが、日本を留守をしていて、何年も洗えなかった時期があり、段ボール箱に入れたままで、しばらく積んでいた時期もありました。
八郷に来て数年後、やっと母屋ができて地下室に積んでいた段ボール箱を開けてみたときは、ミルク入れはカビが広がっていただけでなく、カビのせいか小さなひび割れが全体に広がり、まるでごみの固まり、穴も開いて、捨てざるを得ませんでした。
その捨てたミルク入れによく似た、やはりエチオピアのオロモのミルク入れを見つけたときは、とても懐かしくなりました。
長く使われていたらしく、ヒョウタンは内側からしみ込んだミルク(あるいはヨーグルトなど乳製品)で飴色に変化していて、縁をかがってある草(ギニアグラス)は擦り切れていました。
蓋は、なくしてしまったか、あるいは壊れたかで、新しいものでした。
新しいとはいえ、とてもよくできていたので、おそらく容器をつくったのと同一人物なのでしょう。草をヒョウタンに丁寧に編みつけから、重なる部分を立ち上げています。
私は、蓋がオリジナルなものより、より親しみを感じます。
ヒョウタンに穴を開けようとすると割れやすいものですが、まだ緑の乾いていないときに、針穴だけあけて置くものなのでしょうか?
草を編むのも大変な仕事に見えますが、その昔エチオピアで、目の前で刷毛をつくってもらったのを見ていた経験からすると、あっというまにつくってしまうのではないかとも思います。
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