2010年3月14日日曜日
コーヒー用刷毛
エチオピアのアビシニア高原は、コーヒーの原産地です。
さすが原産地、エチオピアの、最高のおもてなしは、コーヒーです。
コーヒーセレモニーは、床にレモングラスなど、よい香りのする草を敷き、その上に置いた七輪に火を起こし、生のコーヒー豆を炒って、その香りを客人に嗅がせることからはじまります。
続いて、専用のすり鉢(叩き鉢)で豆をつぶし、口の細い、壷のような形をしたポットに入れて煮て、小さめのカップに入れて、皆に振舞います。
都市では砂糖もありますが、農家では塩を入れて飲みます。それを、5回ほど繰り返しますから、だいたい、2時間ほどかかるでしょうか。その間、おしゃべりして、友好を深めます。
小さいカップとはいえ、5杯も飲むのですから、一日に二軒も訪問すると、お腹の中がコーヒーでぷかぷかしてしまいます。
この、浅い鉄鍋は、コーヒーを炒るお鍋です。我が家では、マグネットをくっつけて、額縁代わりになってしまっていますが。
ある農家を訪問したとき、砕いたコーヒーを集めるのに、草で編んだ刷毛を使っていました。すてきな刷毛です。
私も欲しいと思って、「この刷毛は、市場で買ったんですか?」とたずねました。そうしたら、家長の男性、つまりお父さんが、家の片隅から乾燥させた草を持ってきて、目の前で新しい刷毛をつくってくれました。平たく編んでおいて、くるくると巻いて、先を切りそろえてつくります。
嬉しくて、何度も取り出してながめたのを思い出します。今でも、私の宝物です。
写真を整理していたら、こんな一枚が出てきました。
刷毛をつくってもらってから数年後の写真だと思われますが、自分がすでに持っているものを欲しがる癖のある私が、手に入れず、写真だけ撮っていたとは、不思議な気がします。雑なつくりで、あまり素敵ではなかったのでしょうか。
ただ、この写真の刷毛の方が、くるくると巻いてつくった感じが、よく出ています。
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