2017年11月20日月曜日

さわださん

おもちゃ骨董のさわださんは、三歳のとき椎間板ヘルニアで半身不随になったミニチュアダックスの、ミルキーの世話をしています。
発病するまでは、家に置いていましたが、お連れ合いも働いていらっしゃるので、この六年間は、暑い日も寒い日も、骨董市にミルキーを同行しています。ミルキーの下半身は感覚がないので、おしっこもウンチもすべて手をかけてやります。
昔、我が家の小春が、二度も椎間板ヘルニアに罹ったので経験済みですが、三歳から五歳のもっとも元気なとき罹る椎間板ヘルニアは、たいてい重い、手術を要するものです。早期に手術をすれば、下半身不随にならなくてすみますが、犬のMRIを撮るところは限られているし(例えば、茨城県にはない)、手術のできる獣医さんはもっと限られていて、しかもMRIセンターにも動物病院にも定休日があるので、発症して一週間以内に手術してもらえる幸運な犬は、とても少ないのが現状です。

ミルキーも、その手遅れ組みですが、下半身不随になって以後、「下館動物病院」を教えてあげたので、さわださんは郡山から下館まで、定期的にミルキーを連れて行っています。下館動物病院の院長さんは椎間板ヘルニア手術の名医で、全国を飛び回って手術をするため、病院に在院していらっしゃることはほとんどありませんが、それでも手術にはどこからでも駆けつけてくださいますし、普段はスタッフの方々が適切な対応をしてくださいます。
普通、おしっこができない犬の膀胱を絞ると、どうしても尿が残り、細菌が増えて腎臓を悪くしてしまいます。ところが、さわださんはとっても上手、獣医さんも感心するほど完璧にミルキーの世話をしてきましたが、その定期的な尿検査で最近、初期の糖尿病が見つかったとのことでした。
さわださんは、がっかりもしていましたが、糖尿との戦いに、静かに闘志を燃やしているようでもありました。 犬の糖尿病には、わずか1ミリグラムほどのインシュリンを注射しますが、さわださん、インシュリンのセットを持っていて、ビンは振ってはいけないとか、もういっぱしの専門家になっていました。
ミルキーは運動ができないので、糖尿になったのはやむを得なかったかもしれないのですが、さわださんは、サツマイモやカボチャを食べさせたのがいけなかったのではないかと、反省していました。でも、聞いてみたら、ほんのひとかけらだけでした。
そんなミルキーのため、さわださんは、糖尿食として、薄切りのキュウリと千切りキャベツを用意して持ってきていました。とっても真似できないきめ細やかさです。

さて、ミルキーの話だけして、何も買うつもりもなかったのですが、骨董市をぐるっとひと回りして、ミルキーに挨拶するのを忘れていたと、またさわださんの店を覗いたら、ちゃんと、私向けのおもちゃが用意してありました。


「うさぎ、かわいいっしょ。二つで300円」
「.....」


張り子のうさぎは、かわいいというより間延びしています。


でも、小指の先より小さい這子さんは、とってもかわいい子でした。
ただ、お尻に埃が積もって、拭いてもきれいになりません。肉眼では目立たないのですが。

インシュリンは高くはないけれど、病院代や糖コントロールの餌代など、ミルキーのための出費は、さらにかさむことでしょう。
さわださん、100円単位の商いをしながらよくやっています。





2017年11月19日日曜日

収納棚の引き出し

西側に面した棚は、あれから少しずつ、引き出しができてきました。
夫の作業台の上や床に積み重なった大小の箱を見ると、まぁ、あるはあるは、コーチスクリュー、ボルトとナット、各種特殊ねじなどなど、しかもほとんどが混在しているので、選り分けるのに、引き出しをつくるのと同じくらいの時間を費やしてしまいました。


真ん中の細い列は、すべてそんなねじ入れにしました。


二つから六つに仕切りをして、種類の違うねじ類を入れました。
引き出しの構造材は1×4(ホワイトウッド)ですが、表から見えるところには杉板を貼っています。どれも端材利用なので、中の仕切り板は杉だったり、1×4だったり、いろいろです。


それでも、ここだけでは足りなくなったので、以前、コースレッドを入れた引き出しの上にも引き出しをつくりました。


左が追加以前、右が追加後です。
ここには、皿頭ねじ、鍋頭ねじ、トラス頭ねじなどを入れました。これから、何が入っているか、表示していかなくてはなりません。


引き出しはどれも、荒く使うのは決まっているので、組んだりしません。ビス止めで簡単につくりました。


これは、墨付け道具一式を入れる引き出しです。ちょっとスペースが無駄なようですが、墨の入った容器の背が高いので、深い引き出しを使わざるを得ません。


あちこちに散らばっていた、墨、水糸、墨壷などを一緒におさめました。
 

真ん中の列の小さい引き出しは、穴を開けて麻紐を通して、引手にしています。
幅の広い引き出しは、まとめ買いしていた、ちゃちな引手をつけましたが、運よくぴったりと使い切りました。
写真には写っていませんが、左端の深い引き出しだけ、大きいのでステンレスの引き手をつけています。


私が細々としたものを、ちまちまとつくっている間に、夫は、多目的ホールの吊り戸の鴨居をつけました。


杉の足場板と鉄のレールを使った力のいる仕事です、設置するときちょっとだけ手伝いましたが、私には到底できない作業です。


さて、幅の広い引き出しの中はこんな感じです。
消耗品と道具ははっきり分けてしまいたいと思うのですが、一番右の薄い引き出しには、行き場のなかった消耗品を入れ、一番下のちょっと深い引き出しには、これまた長すぎて行き場のなかった道具を入れて仕舞いました。


このあとも、仕舞うもの(仕舞われるもの)と相談しながら、ものの配置を考え、使いやすいようにつくっていきたいと思っています。







2017年11月18日土曜日

骨董品だぁ!

先日、材木屋さんの、秋の大売り出しに行きました。
競りをする場所を覗いてみたら、いろいろな木に交じって古い木が置いてありました。競りと言っても、社長さんが最初から目安の値段をつけていて、たいていはその値段か、それよりちょっと安い値段から競りがはじまり、わりとあっさり欲しい人の手に渡るもので、下見をして、欲しい木があれば、お得な値段で手に入ります。

この競りには、当たったことはありませんが、別の楽しみもあります。全部が終わったあと、競った順につけた番号の中から、くじ引きをして、一等賞10,000円など、封筒に入った現金がもらえるのです。五等賞1,000円くらいなら、何本もあって、何本も当たっている人もいます。


さて、競りは午後も遅くですが、その日はお寺に講話を聞きに行く予定がありました。
ダメもとで、競りの前に買えないかと訊いてみると、
「いいよ」
と二つ返事、二枚の古い木をいただいてきました。


一枚は、青森ヒバの75ミリ厚の板です。


青森ヒバはもともとは、地域的にしか出回っていないものでした。
今売られている建材用のヒバは、ほとんどアメリカ大陸からの輸入物です。
青森ヒバなら、まな板だって5,000円もするのに、これは2,200円でした。
年輪は詰んでいて、とってもきれいです。


もう一枚は松、1,900円でした。
 

この、「無節」という字の美しさに、うっとりします。八分(24ミリ)板ですから厚みはそうありませんが、反りのない大きな板です。
松には、「キイ、オワセ、中岡商店」とあるので、ネットで調べてみたら、和歌山県尾鷲市に、今も中岡建材という店がありました。
日本列島の松は、ずいぶん前からマツクイムシにやられています。和歌山のあたりで、建材としての松が採れたのは、戦後まもなくまでではないかと思います。

いったい、材木屋の社長さんは、どこでこんな古い木を見つけたのでしょう。倉庫の片隅に眠っていたとは、考えられません。この木を競りに出したのには、何かわけがあるのでしょう。どこかの古い倉庫の在庫を丸ごと買ったとか、なにか人助けで買ったとか....。
その日は社長さんにお会いしなかったので、聞いていませんが、次回お会いした時、この木の物語を聞くのが楽しみです。

今のところ、どう使うかアイデアもないのですが、ただの棚板にするのではなく、毎日見て楽しめるようなところに使いたいと思っています。




2017年11月17日金曜日

あとから、あとから


限りがあることはわかっているのだけれど、いやはや、どんどん落ちてきますなぁ!
これは、前日にきれいに落ち葉をかき集めたところ、


前日やり残したところは、もう絨毯のようです。かさこそかさこそ。
落ち葉は残らずかき集めて焼かないと、「サビ病」のカビの温床になるそうです。というわけで、せっせとかき集めていますが、まだまだ、落ち葉かきの日々が続きます。


これが、数日前の木姿。


そして、今朝。
 

もう、来春の花芽がたくさんついています。







2017年11月16日木曜日

木杓子


木杓子をつくって売り歩いている男性の写真です。
いったいどこから見つけた写真だったか、すっかり忘れてしまって、今となっては出所も、どこの国のものともわかりませんが、1905年とだけキャプションをついけていました。
ロシアか北欧か、それともドイツあたりか、この木杓子を見ると、日本の木杓子同様、乾いた木ではなく、生木を削ってつくったように見えて、興味津々です。
木杓子のつくり方としては、大きくは生木でつくる方法と、乾いた木でつくる方法の二つに分けられます。


生木を削ってつくる木杓子は、日本のものでは岩手、群馬、奈良のものを知っていますが、かつては、農家の副業として、ほかにもいろいろ産地があったことでしょう。
そして、一番上の木杓子売りの写真を見ると、ヨーロッパの、どこかの国にも同じような木杓子をつくる文化があったことがわかり、嬉しくなってしまいます。
ちなみに、イギリスには、生木でつくるグリーンウッドワークの伝統があります。 モロッコの木匙も、生木を削ってつくったものかもしれません。
ところで、このほかの地域にも、生木で杓子をつくる伝統はあったのでしょうか?
間に合わせでそこらにある木の枝を払って、匙のようにするということは、行われていたかもしれませんが、生木でつくったものを使い続けるということがあったのかどうか、私は知りません。
杓子同様、なくてはならなかった日本のご飯しゃもじは、生木ではなく、乾いた板からつくったようです。


をはじめとする、北欧の木杓子づくりも、乾いた木を削っているように見えます。


これは、2015年にコペンハーゲンの野外博物館で見たものですが、流木という、乾燥しきった木(時間を経た木)を削ってつくったものもありました。


これも、コペンハーゲンの野外博物館でみた杓子です。
これらの杓子は、生木でつくったものにも見えるし、乾燥した木を削ってつくったものにも見えます。

ひょうたんの取れたアフリカではひょうたんを削って、ココヤシの生えている東南アジアでは、ココヤシに木や竹を接いだ杓子が一般的に見られます。
そんな、簡単な材料が手に入るにもかかわらず、アフリカでも東南アジアでも、木杓子もよくつくられています。
木杓子にも、穀物匙もあれば、取り分けたりかき回したりする杓子、そして食卓で使う匙など、いろいろです。


ネットで探していたら、こんな杓子も見つけました。中国のものです。
つくるのが大変そうですが、桶職人がつくるのは、朝飯前だったことでしょう。

木杓子は、地域によって、似ていたり、違っていたり 。
左から、イギリス、フィリピンのミンダナオ島、インドネシアのスラウェシ島、コートジボワール、そして日本の形です。




2017年11月15日水曜日

石鹸

液体のボディーソープが嫌いで、いまだに固形石鹸を使っています。1990年代から、ずっとパレスチナのオリーブオイルの石鹸を使ってきました。お豆腐を四つ切にしたような形の白い石鹸で、親しんできましたが、現地に行くこともなくなり、在庫もなくなり、その後はシリアのアレッポ石鹸に変えました。やはり、オリーブオイルの石鹸です。
アレッポ石鹸は、内戦で戦闘が激しくなった今でも、購入することができます。空気に触れたところは茶色ですが、中は緑の、とても気持ちいい石鹸です。でも、半分くらい使ったあと、ずるずると溶けてしまうのが嫌で、なんとなく使わなくなっていました。

その後、最後まで気持ちよく使える石鹸置きを買ったので、もう一度アレッポ石鹸を試してみるのも、いいかもしれません。
といっても、手持ちの石鹸がまだまだあるので、それが少なくなってからの話ですが。


買いためた石鹸もありますが、いただきものの石鹸もあります。


これらは、インドの石鹸、左の白檀の石鹸は使ったことがありますが、ニーム(アメリカセンダン)の石鹸とシナモンの石鹸はまだ使ったことがありません。
ニームは大きな木になります。若葉を食べると苦くて、葉や枝を煮出したものは薬になるのは知っていますが、石鹸にしたらどんな特徴があるのでしょう?


こちらは、pikuさんからいただいた、バリ島のココナツオイルの石鹸です。
薄切りにしてある感じと言い、包装の仕方といい、お菓子のようで、いただいたとき、夫がお菓子と勘違いして、食べそうになったものです。
これも、使うと幸せが身体を包んでくれるような、柔らかい石鹸です。

今使っている石鹸置きは、石鹸をいつも乾燥した状態に保つので、石鹸がとっても長持ちして、いつまでも使い終わりません。
三分の一くらいはダメになってしまう普通の石鹸置きと比べると、素晴らしいと思うのですが、在庫の石鹸(写真以外にも、まだあるある)を使い切るのに、あと何年かかることやら。
ちなみに夫はボディーソープを使っています。







2017年11月14日火曜日

「犬の寝床」、「猫の寝床」


自分の意思に反して「旋回運動」をしてしまう犬のうなぎ、長い間慣れ親しんだ「寝床」とは、決別し、木でつくったサークルの中で暮らしています。
ホットカーペットを敷き、柵には頭をぶつけても痛くないよう、毛布などをひっかけているので、これはこれで、快適に過ごしているようです。

あまり動きすぎても目が回るのではないかと、狭いところに押し込めて落ち着かせようとしたのは逆効果でした。たとえ目が覚めているときはいつもぐるぐる回っていたとしても、この方が発作も起こしにくいことがわかりました。
たまに、角に頭を突っ込んで騒いだら、救出してやればいいのです。


「犬の寝床」、は設計段階から決めていた場所で、犬が三匹寝ていたこともありました。
猫は一つ所では寝ませんが、犬は夜はここと決めて、もっとも安心できる場所でした。
冬は「犬の寝床」にはヒーターを入れるので、猫のトラも一緒に寝ていました。

この冬、うなぎが「旋回運動」をするようになってから、ここには、出歩かないようにバリケードを築いていました。
半分ヒーターを入れて、半分は入れていない状態にしていましたが、何度かトラが入り込み、ヒーターを占拠していたので、追い立てたことがありました。


さて、「犬の寝床」として、もう使うことはありません。
夜は寝室の椅子の上に寝ているトラのために、「猫の寝床」に改造することにしました。


と言ってもなんてことはない、箱を前後ろ反対にしただけです。


ヒーターも入れてやりました。
だのに、なんてこと!トラを入れてみるとすぐ飛び出してしまいます。叱られたことを覚えているのか、ここから聞こえてきたうなぎの発作がこたえているのか、全然入ろうとしません。
相変わらず、椅子の上で寝ています。


猫のことですから期待できませんが、もっと寒くなったら、ここで寝るでしょうか?


ちなみに、私のデスクの足元に置いてある「犬箱」は、前後ろを反対にしてやったら喜んで入っています。
そうそう、昨日抜糸して、エリザベスカラーが取れました。







2017年11月13日月曜日

ミラーワーク

 

インドのグジャラートに住む、バンジャラ人のミラーワークです。
短辺が19センチの細長い布ですが、 そこに鏡が60個も縫いつけてあって、ずっしり重いものです。


ミラーワークと呼ばれる手仕事は、木綿布に古くは雲母、のちに鏡をはめ込んで、そのまわりを刺繍で飾ってつくるもので、ブラウスや儀礼布などとして使います。

ドルド村の族長の孫娘。胸にミラーと繊細な刺繍、『インド砂漠の民と美』より

女の子のワンピースの胸に施されているのが、ミラーワークです。頭にかぶっている布にも、鏡が光っているのが見えます。
布に嵌めた鏡がきらきら光るので、動物除けでつくられるようになったとか、魔除けにつくられると言われています。


この布は、刺繍はあっさりしていて鏡が大きいもので、大きい鏡は直径45ミリもあります。
私もガラスを切ったことがありますが、ダイヤモンドカッターがあったとしても、なかなかきれいに切れません。そんな鏡を丸く切って、縁を磨いてと、下準備だけでも大変な作業に思われます。
 

鏡は裏布と、表の刺繍とで留めてあります。


この布を30センチくらい離すと、私の顔が、鏡にちょうど丸々写ります。
顔がいくつもいくつも見えて、自分の顔ですが、穴の中からたくさんの人に見つめられているような気がして、とても神秘的に感じます。
ただの鏡を切断しても、部分的にしか写らないのじゃないかと思われる、とっても不思議な鏡です。

『インド砂漠の民と美』より

刺繍や鏡で埋め尽くした、ぴったりした赤い衣装。そして、重い装身具。
グジャラートの女性たちは美の化身のようですが、着ているのかいないのかわからないような、ルーズな服を着慣れた私には、とても真似できるものではありません。