コンピュータで文を書いている夫が、言葉が漢字に変換しないと、私に尋ねることがあります。
「七面六臂が出てこないんだけど?」
「あれっ?」
急に聞かれると、夫と五十歩百歩の私も慌てたりします。
それにしても、夫の方が変なのは確かです。かなり言葉を知らないのに、堂々と人前で使ったりします。
そんな夫の語録です。
「風景明媚なところ(風光明媚のこと)」
夫が人との会話している時、変なことを言っているのを、離れた場所で小耳にはさむと、思わず夫の話相手の顔を見てしまいます。しかし、紳士淑女の方々は、決して噴き出したりせず、ましてや訂正もせず、話は粛々と進みます。
「あいつは上昇気流だから(上昇志向のこと)」
私がその会話の中に加わっているときは、もちろん訂正したりしますが、小耳にはさんだときは、「また言っている!覚えていよう」と思うものの、たいてい忘れてしまいます。紙に走り書きすることもありますが、紙自体をなくしたりして、手元に残っているのはほんの一握りです。
「それ、一鳥二石だから(一石二鳥のこと)」
まぁ、二つの石で鳥を落とせればいいのですが、鳥は逃げてしまうことでしょう。
「一刻の余裕もない(一刻の猶予のこと)」
うろ覚えなら使わなくてもいいのに、知らない言葉を「勘」で使います。
そして、使ったことなど気にもしていません。
天気予報ではもっと雪が降るとのことでしたが、そう多くありませんでした。
とくに、昨日は一日中見えなかった山には、ほとんど積もっていません。
姐さん
返信削除表題を見て真っ先に浮かんだ言葉は「毛〇〇語録」で
昭和40年前半でそちら寄りが流行でした。
語録って面白いですね
さしずめ私の人生は「塞翁が馬」です。
あるあるです。変換して、出てこなくて、送り仮名が間違ってることに気がついたり。
返信削除にしても、春さんの文章がいい感じです。さすがだなぁ…。
昭ちゃん
返信削除うちにもそういえば赤い表紙の小さな毛語録はありましたよ。どこへ行ってしまったかなぁ。
あまり人のことは言えない、私だって間違えたり、適切な言葉が思い浮かばなかったりよくします。でも、夫のは面白い、忘れてしまってもっと紹介できないのが残念ですが、聞くたびに噴き出します。
Akemi Fujimaさん
返信削除そうそう、昔は変換間違いのコンピュータをあざ笑っていましたが、最近は「じ」と「ぢ」、「おお」と「おう」を間違えて出てこなかったりして、コンピュータにあざ笑われるようになってしまいました。
でも夫の言葉遣いの間違いぶり、間違えたときの堂々さ加減、「わっ、またやっている!」と心の中でひっひっひと笑っています(笑)。
新しい言葉や、本来の意味とは違う日本語の使われ方が一般的になってきたりというのは、そんなことから生まれてくるんでしょうね。そんなことを感じながらそしてまた自分にもよくある光景だなあと...くすっと笑いながら読みました。楽しかったです。
返信削除hattoさん
返信削除楽しんでいただいて、ありがとうございます(笑)。
確かに、言葉というものは日々変わるものですが...、まさかこんなところからは変わっていかないでしょう。
それにしても、20世紀には平安時代から使われてきたような、方言に残っていたような言葉がテレビの普及でたくさん失われてしまいましたが、このごろは生まれてすぐ消えていく言葉も多いのでしょうか、流行っていると聞いて使わないうちに、流行が過ぎています(笑)。