2019年4月25日木曜日

熱帯植物の教科書

自由が丘の岩立フォークテキスタイルミュージアムで、6月にはモジュガンさんがお話されますが、5月には西岡直樹さんがお話しされます。
これまで、西岡さんの書かれた本について、もう一つのブログ「私の拾いもの」に、ちょくちょく書いたはずと見返したのですが、思い違いだったようで、全然見つかりません。



西岡さんには、インドと植物をキーワードとする著書が多数ありますが、中でも好きなだけでなく役だったのは『インド花綴り』(木犀社、1988年)と、『続インド花綴り』(木犀社、1991年)です。
長く南の国々にかかわって働いていた私は、出逢った植物のことを知りたいとき、西岡さんの本を教科書代わりに開きました。
実物を想像しやすい挿絵がたくさん載っているので、その絵は頭に入っていて、
「あっ、この花は『花綴り』にあった花だ」
とページをめくると、学名や和名だけでなく、その植物にまつわる物語も楽しめるのでした。


これはカンボジアのプノンペン近郊の村の寺院の庭にあるホウガンボクですが、これも『インド花綴り』で、確かめたのではなかったかしら、今でも本に私の写したホウガンボクの写真がはさんでありました。


ホウガンボクは、ヤドリギ、かなり変わった植物です。
知らずに見ると、不気味な気さえしますが、『インド花綴り』の中に見つけると、一気に親しみがわいてきます。


派手な花でさえ、不気味ではなく美しいものに感じられてきます。


『インド花綴り』には、珍しい植物だけでなく、よく知っている果樹などもたくさん載っているので、熱帯に行く人も行かない人も、とても楽しめます。


この本も素敵な本でした。


文とともに、西岡さんがお描きになった絵が楽しめ、


そして、インドの絵も楽しめます。


熱帯植物の日本語で書かれた教科書と言えば、『インド花綴り』だけでなく、『タイの花鳥風月』(レヌカー・ムカシントーン著、めこん社、1988年)もあげたいものです。
『花鳥風月』も、タイの動植物の博物誌になっています。
レヌカーさんはタイ人と結婚された日本人女性、博識な方で、タイ文化の知識や認識において、タイ人ですら彼女の右に出るものはそういないだろうという方です。
歯切れのいい文も面白い、素晴らしい書です。








2 件のコメント:

  1. 早速図書館で「インド花綴り」借りてきました。まだ導入部分しか読んでいないけど、面白い!今でも絵具を植物から作っているんでしょうかね~。インドに行ってみたくなります。でもあのパワーに負けそう(苦笑)。

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  2. hiyocoさん
    面白いでしょう!
    どこの国でも、植物は生活の折々を彩るものとして欠かせない役割を果たしているけれど、それを見る西岡さんの目も優しいですよね。
    インドへ、行ってみて!広いから、行く場所によって印象が全然違うかもしれません。種拾いも貝拾いも南の方、ケララあたりがよさそうですね(笑)。

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