しばらく前の骨董市で、さわださんの店に行くと、
「見て、見て!新しいキャリー、いいっしょ!」と、得意げに、一回り大きくなったペット・キャリーを指さします。
さわださんの犬ミルキーは、椎間板ヘルニアで下半身不随になって、もう7年にもなります。ちょっと血糖値が高めだけれど元気なミルキーは、上が開くこれまでのキャリーから、横が開く新しいキャリーに買い替えてもらっていました。
「よかったねぇ、ミルキー」
「これで、助手席に置いておけば、簡単に撫でてやれるのよ」
と、どこまでも優しいさわださんです。
同じ形の小さなガラスビンがたくさん入った箱の中からビンを手に取って熱心に見ている男性に、さわださんは、
「それは染料のビン。裏見て。三六かなぁ、エンボスがあるよ」
と声を掛けます。
染料ビンとあれば、見過ごせません。
ミルキーのところから離れて、ビンを見ると、「三六」ではなくて、「三共」でした。デッドストックなのか、どれも汚れてなくてきれいです。
その男性は3つお買い上げ、常連の(?)私はこっそり値引きしてもらって、2つ買ってきました。
さて、家に帰ってネットで探してみても、三共という染料製造元は見つかりませんでした。染料ビンというのはさわださんの記憶違いかなぁ、薬なら三共があります。
三共製薬(2005年に統合して、現在は第一三共)は、1899年に創業しています。
1902年にはホルモン剤アドレナリン(商品名はアドリナリン)を発売して、その写真がありましたが、さすが大手、しっかりしたガラスビンを使っています。そして三共は、1935年ごろから、蓋をコルクではなくスクリューキャップに変えています。
このビンはかっちりしてなくて、ゆるいできです。
型に入れないで吹いたのか、形も微妙に違っています。三共の薬ビンではないかもしれません。
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