2019年12月3日火曜日

人生は何歳でも面白い


夫が、ある学会の大会にパネリストとして招かれたので、私ものこのこくっついて長崎県壱岐島(いきのしま)まで行ってきました。


壱岐島は長崎県ですが、福岡空港に降り立ち、博多港からジェットフォイルで壱岐島の郷ノ浦港へと向かいました。


福岡までの飛行機の中で、やはりパネリストのお一人若宮正子さんと合流しました。
私は、若宮さんが84歳の方ということだけ聞いていたので、お会いしてびっくり、その底知れないエネルギーに、仰天してしまいました。
「家にはほとんどいないの。私は遊牧民なのよ」
若宮さんはITエヴァンジェリスト(こんな言葉も知らなかった)として超有名で引っ張りだこ、日本国内のみならず、世界を飛び回っていらっしゃる方だったのです。
11月だけでも、北海道の旭川と函館、一旦東京に帰って青森、そして長野、高知その他いろいろ行き、そして今回の壱岐島ということでした。しかも、壱岐島での講演の次の日には横浜で講演があるので、朝一番で帰られましたが、その間、まったく疲れた様子も見せていませんでした。
「熱中小学校というのをやっているから、ホテルのないところにも泊まるのよ。この前はテントで寝たわ」
「えぇぇ!」
「高知ではカヌーに乗ったの」
「カヌーには前にも乗ったことがあったんですか?」
「初めてよ、ウエットスーツも初めて着たわ」
「へぇぇぇ!」
いろいろなことを面白がっていらっしゃいます。
「81歳で死ねば普通のおばあちゃんだったんだけど、にわか有名人になっちゃった」

若宮さんは、58歳からコンピュータをはじめました。
スマホ時代になり、スマホを使った高齢者向けのゲームアプリがないので、コンピュータ友だちに、
「老人向けのゲームアプリをつくってよ」
と頼むと、
「僕は高齢者が何を面白がるかわからないから、若宮さんがつくったら?」
と言われて81歳のとき、HINADANというゲームアプリをつくったそうです。
iPhoneのゲームアプリは、アップル本部が認証するシステムになっています。そこで、HINADANを申請をすると、思いがけなくアップルのティム・クックCEOにアメリカに招待され、世界で最高齢のプログラマーとして直々に高く評価されて、以後若宮さんは一躍有名になったのだそうです。

今回の講演の表題は、「すでに起こっている未来を生きている、世界のプラチナメンバー」というもので、「電子国家であるエストニア」の紹介をしていらっしゃいました。
エストニアのお話は興味深いものでした。
「電子国家」とは、住民の管理、納税、選挙などなど、すべて役所の窓口なしで、ネットでやっている国です。人口130万人の小国エストニアが、なぜ世界で最初に電子国家になることができて、それに高齢者はどう対応しているのだろうというのが若宮さんの関心事で、それを調べにいらっしゃったのです。
短い滞在中、若宮さんは役所をはじめとして各方面に聞き取り調査をし、ネットで高齢者のアンケートを集め、さらに、ご自身で開発されたエクセルアートの講習会まで開いてこられました。
また、ご自身もエストニア国籍を取ったなど、本題はとても面白いものでしたが、一緒に行きたいという、若宮さんのコンピュータ友だちの小学生の女の子が、自分でクラウドファンディングを立ち上げて旅費その他を集め、一緒に行ったというエピソードもなかなかのものでした。
「友だちはみんなフラットな関係、84歳であろうと小学生であろうと、年齢は関係ありません」
というのが、若宮さんの持論です。


写真は本題に入る前の自己紹介の一部ですが、エクセルを塗りつぶしていろいろな模様をつくるエクセルアートについて話されています。
そのエクセルアートを染めた素敵なシャツを、その日も着ていらっしゃいました。

さて、ネットで若宮正子さんを調べると、なんと世界一元気な84歳とありました。
高卒で就職したのは、一刻も早く自立したかったから、当時は大学に行くと女性は医者か学者くらいしか職業がなかったので、それでは時間がかかるので自立が遅れると、就職を選んだそうでした。
一人旅が好きで、50か国以上一人で旅したそうです。


というわけで、いろいろ刺激をいただいた壱岐島、たくさんの素敵な方々(地元の方、遠くからいらっしゃった方)のご報告を聞き、またお話もしましたが、滞在したのはホテルと会場だけで、残念ながら壱岐島の自然にはまったく触れずに帰ってきてしまいました。
というのも、最近長男が福岡県の糸島に移住したので、帰りにそこを訪ねたからでした。


久しぶりに会った孫のたけちゃんは、もうすぐ一歳です。
ゼロ歳から84歳までに、元気をもらった旅でした。






12 件のコメント:

  1. お帰りなさい
    春姐さんが滞在中は小春日和が続いたでしょー
    昨日辺りから寒気が少しきています。
    1万メートル上空から見ると下界は地図のようですが
    着陸時は見る見るビル群が迫ってきますね、
    あのエンジンが良く翼についていること。
     何でも感激それぞれの楽しみかたで、
    こちらはもう路線がないやー

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  2. お帰りなさい。
    ご紹介頂いた若宮正子さん、年齢に縛られない生き方を見習いたいものです。早くから自分自身を確立なさった方なのでしょう。
    糸島には、古くからの友人の息子さんが移住し、友人も福井から移り住んだと聞いていました。糸島が人を引き付けるのは何なのでしょうか?

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  3. 元気もらえます~、今日も一日頑張ります!

    春さんのブログで知って、前から気になっていた西式です。最近は全体的に体の機能が落ちている感じがあるので健康維持を以前に増して考えるようになりました。前のブログを読んで西式を検索して手始めに、マンガでわかる「西式甲田療法」―一番わかりやすい実践入門書 (ビタミン文庫) を買いました。甲田医師と出身地が同じなので(笑)。今は日本の友達が読んでいます。後で送ってもらいます。

    朝食を抜き出して4日めです。もともと食いしん坊なので食事制限は苦手だと思っていたのですが。朝食抜きは体にあっているのかな、何ともないんです。体が軽くて。これは続けられそうです。

    年を重ねても活発な人は、若い頃から活発な人ですよね。
    すごいですね。

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  4. 昭ちゃん
    到着した日は快晴でしたが、三日目は午後から雨でした。でも寒くはなかったです。福岡で雨がパラパラ降った日は、茨城は豪雨だったようです。
    こちらへ帰ってきてからは、茨城は快晴が続いていますが、外を見ると今日は風が強そうです。
    飛行機は欠航したりするとその数の多さに改めて驚きます。トンボみたいにたくさん飛んでいると思うと、確かに不思議ですね(笑)。
    博多港のすぐそばに大相撲をする場所があって、「ああ、ここか。日本列島が長いのを感じさせるのは」と感慨深く見ました。
    九州は夕方遅くまで明るいけれど、夜が明けるのも遅い、遅い、朝6時でもまだ真っ暗でした(笑)。

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  5. reiさん
    若宮さんと同年代やもう少し若い、元気な友を思い浮かべると、元気なのに、年だし何かあるとまずいからと、自分の行動を規制している節があるんじゃないかと思ってしまいます。張り切りすぎないように自己規制をかけているというか。でも、好奇心と行動力は失なわない方がよさそうでした。
    とはいえ、旅したら疲れました。遊牧民なんてとてもとても(笑)。

    糸島が若い人たちをひきつける理由は私にもよくわかりません。強いて言えば、福岡という大都会にアクセスがよいこと、農村も海もすぐ近くにあるということでしょうか。玄海灘は穏やかで、景色も穏やか、以前広島から来た友人が太平洋を見て、海の向こうに島が見えないので怖いと言っていたことを思い出しました(笑)。糸島からは島やら半島やらいろいろ見えます。
    息子たちは、東京での子育てはできないと思って移住したようでした。

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  6. Bluemoonさん
    西式、やってみてください。
    しっかりやっているとはいいがたいのですが、身体の内側をきれいにするという考え方、面白いです。
    甲田先生はとても面白い方だったそうですね。『白砂糖の弊害』といった文を読んだことがありますが、砂糖そのものが悪いわけじゃない、その精製過程で添加するものが悪いらしいのですが、一事が万事です。化学調味料は原料がサトウキビだとしても、やはり製造過程でいろいろ化学品を使うのでしょう。
    素朴な食事をと心掛けてはいますが、白砂糖をいっぱい使ったお菓子、ついつい食べてしまいます(笑)。

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  7. 私の母と年が変わらないのに、若宮さんのパワーには驚くばかりです。好奇心が体の若さをも維持するんでしょうね。
    たけちゃん、糸島に引っ越したのですね。もう1年経つなんて早すぎる!すくすく育ってますね~。

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  8. hiyocoさん
    なんていうか、打てば響く感じで、反応もとても速い方でした。
    楽しそうに生きていて、ほんとこちらも元気になりました。
    会場で、来年の講演依頼を受けていましたが、「高齢ですから、来年はどうなるかわかりません」なんて言わないで、ちゃっちゃとスマホに予定を書き込んでいました。ずっと先まで予定がいっぱいのようでした(笑)。

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  9. 凄い人がいるんですね~!
    凄いとは思いますが、パソコンを使うことさえ頑張っても私はできないし、無理して使えるようになりたいとも今は思っていません。分相応というか、できること、やりたいことを私はやるだけかな(笑)

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  10. わあ、私のことを書いていただいて恐縮です。
    今回の壱岐島行きでは、岩崎様のご一家に大変お世話になりました。
    ご家族、おひとりおひとりが「物語」を持っておられるご一家なのです。

    旅をしますと、こういう詩晴らしい「発見」があるのですね。
    ありがとうございます。
    これからも、いろいろご指導くださいませ。

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  11. のらさん
    のらさんの好奇心、行動力、十分すごいですよ(^^♪
    スマフォだって使いこなしているじゃないですか。まぁ、お互いできることをやりましょう。

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  12. Unknownさん
    Unknownさんは、若宮さんですよね?
    コメントありがとうございます。
    お帰りになった日、今頃、横浜で元気にお話されているんだろうなぁ、と想像しておりました。私たちは、ちょっとくったりでした(笑)。
    またどこかでお会いできるといいです、ありがとうございました。

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