2019年12月29日日曜日
今も香る楠
テラスの床板に使うヒノキを、先日材木屋さんが運んでくれました。
床板だけでなく、手すりも同じ材でつくりますが、手すりの束(短い柱)は、当初この材2枚を貼り合わせるつもりでした。
でも、もし安い角材があればその方がいいということで、またまた材木屋さんに材木を見に行きました。
朝早かったので、朝日がクスノキの根にあたっていました。
ひだの中にまで光が届いて、何とも素敵です。
見入っていたら、会長夫人が出ていらっしゃいました。
「いつ見ても、立派な根ですね」
「今でもいい香りがするのよ」
「へぇぇ」
戸を開けてもらって、中に入ることができました。
中に入ると、すでにいい匂いがしましたが、鼻を近づけるとさらに香りました。
「毎朝、今日もいい日でありますようにって、匂いを嗅いでいるの」
なんと、本当にいいことがありそうな、素敵な香りでした。
台湾で30年前に天然林の伐採が行われて、樹齢千年以上のクスノキの根が掘り出されたとの説明書きが、今でも置いてありますが、もう20年も前からその説明書きを見ているので、50年ほど前に伐採され、掘り出されたものということになります。
「これは、根の四分の一と聞いていますよ」
そうなんだ!これで全部かと思っていたのだけれど、大きい根を4分割したものの一部だったのです。これを木が好きでたまらない会長さん(当時社長さん)がお買いになったのです。
小屋は四面がガラスで、どこからも見られるようにつくられていますが、北側から見ると、光が差し込んでないので陰影がなく、周りの景色が映り込んでいます。
それでも、カメラをガラスにくっつけたら、よく見えました。
見ることができてうれしい反面、伐採されてしまったのが何とも残念です。
どうしてこんな大木が伐採されてしまったのでしょう?
明治神宮は、台湾のヒノキで建てられました。
法隆寺の昭和の大修理や薬師寺金堂の建設にも、台湾ヒノキが使われました。日本には樹齢千年ものヒノキがなかったからです。
法隆寺のヒノキの半分以上は飛鳥時代のヒノキですが、台湾ヒノキがなかったら、修復もできなかったことでしょう。
1992年、台湾はヒノキの天然木の伐採を禁止しました。
大阪育ちですが。高校の時に奈良に引っ越しして数年後にまた大阪に。父が引っ越し好きでした(笑)。法隆寺、薬師寺金堂、台湾ヒノキが使われているんですね。知りませんでした。母の話では私が小学生の頃に父は薬師寺によく行っていたようです。高田好胤さんの色紙があります。お正月に出します。
返信削除すごいですね~、樹齢1000年以上の楠の根っこ。根っこの間から先が見える、いいですね。おせち料理のレンコンですね。母校の校章が楠木正成の家紋、校歌にも、中学の頃から楠が特別になりました。香る楠の匂いを嗅いでみたいです。
Bluemoonさん
返信削除私が中学生や高校生だったころ、薬師寺の金堂はありませんでした。
高田好胤さんのお話は、中学、高校、大学の修学旅行と、個人旅行でも聞きました(笑)。
中学生の時初めて聞いて、こんな面白い話をするお坊さまもいるんだとびっくりしました。そうやって悲願の金堂を再建なさってご立派でしたね。
夫の母の実家は深川の材木屋で、明治神宮へ納める台湾ヒノキを扱っていたという話を聞いたことがありました。田んぼが限られていて、お米の増収が見込めず、日本の人口は横ばいだったのが、台湾を植民地にして一気に人口が増えたという話を聞きますが、食料だけでなく、材木も植民地から調達していたのでした。
そうそう、根の隙間から向こうが見えるのですが、写真になるとびっくりしてしまいます。
私の小学校にも楠がありました。葉っぱを拾ってよく匂いを嗅ぎましたが、それとはちょっと違う、もっと複雑な匂いでしたよ。
akemisanこちらこそよろしく
返信削除まず字の説明から「0」は日本では昔から「零・れい」と呼び「ゼロ」は戦後呼び出した英語です。
だから海軍の戦闘機「0式戦闘機」は「零式れいしき」とよびます。アメリカは日本の飛行機に全部名前をつけていました。
日本は航空隊が陸軍と海軍に分かれているので「ゼロ戦」とよべば海軍と解ります。
戦争末期なら特攻隊でフィリッピン海戦でしょー
日本のヒノキと台湾ヒノキは違うそうです。
返信削除以前にこちらの神社を案内してくれた人は、台湾ヒノキは何年たってもヒノキチオール匂うが、日本のヒノキは匂わないと言っていました。
その神社は本殿前の門が台湾ヒノキで、そこを通ると清清しい匂いがして、神聖なものに近づいた感じがする訳です。鼻を近づけて嗅ぐとよくわかりました。
のらさん
返信削除似ているものを見つけて、「何とかヒノキ」とか、「何とか杉」とかいうけれど、似ているけれど違うものだって言うことですね。
ということは、私が見た台湾クスノキも日本のクスノキとは違うのでしょう。
私はクスノキを彫った招き猫を持っています。買って何年かはよい香りがしていましたが、半世紀も経った今では匂いません。それが50年前に掘り出された台湾クスノキの根が匂っているということは、日本クスノキよりもっと香りのよいクスノキだったに違いありません。
何だか、台湾に残っている原生林を見に行きたくなってしまいました。