2019年12月18日水曜日

鳶道具、大工道具、山仕事道具

今年最後の骨董市で、夫が欲しがっていたからと、ラチェットレンチを買いました。
我ながらよい買いものをしたと夫に見せたら、
「これはサイズが違うよ。よく使うのは17ミリだよ」
と言われてしまいました。

右端が購入品

何てこと、我が家にあるラチェットレンチはどちらも、17ミリと19ミリのナット対応でしたが、私が買ってきたのは19ミリと21ミリのナット対応でした。
「せっかくなら、もっと大きいの、24ミリとかがついているのを買ってくればよかったのに」
確かに大きいラチェットレンチも見ました。でも、まさかこんなに大きいのは使わないと思って、それは買うつもりもありませんでした。


他の人のために買いものするときは、しっかり詳細を聞いてからでなくてはと、大いに反省しました。
が、鉄はこなれていて、一番きれいです。

昨日ホームセンターに行ったとき、抜け目なくラチェットレンチの値段を見ました。骨董市での値段は、新品の一番安いラチェットレンチの三分の一、高いのの九分の一の値段でした。
いい買い物でした。出番が多いといいのですが。


さて、自分のために買ってきたのは、玄能と鉈でした。
  

玄能はいくつあっても重宝します。使い込んだ玄能は、鉄も柄も魅力的です。

鉈は、我が家には何本もあるのですが、かねぽんさんの愛する「米沢型」の鉈が目に留まったので、買ってしまいました。


もっとも、かねぽんさんの「米沢型」は、刃と柄の長さが同じくらい、柄の長いこれは「米沢型」ではないのかもしれません。
これは「石つき海老鉈」と呼ばれる鉈で、刃先に「石(突起)」がついています。
硬い地面や石の上で薪を割るとき、木の薪割台がなくても、先についている「石」が、刃を保護してくれるので、神経を使わないで使えるという鉈です。
この「石」はまた、割った薪を手前に引き寄せるのにも役立ったそうです。

戦後しばらくまでは、ほとんどの家庭では、竃を焚いたりお風呂を沸かしたりするのはすべて薪でしたから、斧で割った薪をさらに細く割るための鉈の需要も高かったのでしょう。
ちなみに、私の祖母の家では薪割りは斧で、台所に常備していたのは、片手で使える小型の鉞(まさかり)でした。


この鉈は、刃の背を玄能で叩いて使っていたようで、背には無数の傷があり、つぶれて太くなっていました。


我が家では、ストーブの前でつけ木を細く割るときは、イギリス製の包丁を使っていますが、なかなか具合のいいものです。
鉈を使うのはたいてい竹を割るとき、したがっていつも、両刃の鉈を使っています。


「石つき海老鉈」は薪用なので、ほとんどが右利き用、たまに左利き用があるらしいけれど、両刃はないようです。


桜のマークがついていましたが、桜の中に文字が書いてあるのかないのか、それは読めませんでした。「刃」にも、「力」にも、「万」にも見えますが。


鉈といえば、私の好きなカンボジアの鉈があります。
畑や山に行くときは担いでいきますが、家畜の餌や薬草を刻むときもこの鉈を使います。一家に一本、万能鉈といった具合です。


「石つき海老鉈」とは反対に、刃ではない方に突起が出ています。
「この突起が重要なんだよ」
とは聞きましたが、私はこの突起の必要性を感じる場面に遭遇したことがありませんでした。
後ろにのけぞっているのも不思議な形ですが、ラオスでも使われています。


さて、鉈を包んでくれた和綴じ本のばらしたものは、何の本だったのでしょう。


欧米の国名や、


宗教のことなどが書かれていました。






8 件のコメント:

  1. 石つきナタ懐かしいなー 炭焼きの伐採は全部この型でした
    私も便利さは知りません。
    閉山後・1967年鉄鋼界にはまだインチばかりで
    ラチエットが珍しい時代でした。
    アセチレンやプロパンが容器に入り高所作業が便利に
    名人芸の職人を見なくなりました時代の代わりようは面白いです。

    返信削除
  2. 昭ちゃん
    炭焼きのための木を切ったり割ったりするのも「石つき鉈」だったのですね!面白い(^^♪
    いつも骨董市で見るのは、「石」がついていない鉈ばかりなので、この辺りでは「石」がない方が主流だったのだと思います。
    こんなのを見ると、すぐ分布はどうなのかと思ってしまいますが、九州北部の炭焼きをする人は「石つき」を使っていたとは、興味深い情報、ありがとうございました。山形県でも使っていたらしいし。
    もっとも根性がないので、これ以上調べたりしませんがね(笑)。

    我が家ではボルトとナットなど、まだインチのものも使っていますよ。
    ラチェットレンチは簡単な仕組みで絞めたり緩めたりできる優れものですね。一本で両方できて、高いところなんかで使うにはうってつけです。インパクトドライバーがない時代はとっても重宝したと思いますが、ある時代でも重宝しています。

    返信削除
  3. 丁度3年前、骨董市に連れて行ってもらいました。ふるまってもらった甘酒が美味しかったです。「石つき海老鉈」を初めて知りました。私のところでは、斧、のこぎり、強靭植木バサミ、これらで薪ストーブの薪と点火小枝を用意しています。

    一昨日の最高気温は39度、麓の地域は43度でした。昨日は乾燥と強い風、最高31度、最低14度。蒸し暑かった39度の後の乾燥31度は涼しく感じました。夕暮れからは寒いくらいでした。薪ストーブを点ける夏の夜、たまにあります。

    返信削除
  4.  話題が広がったついでに、
    足場の組立が丸太と番線からパイプと治具になり
    より安定感ができラチエットでさらに便利に揺れる足場が懐かしいです。
    炭鉱の地下から高い処まで何でも負けん人生でした。笑い

    返信削除
  5. Bluemoonさん
    そうそう、そちらは今夏、火災が大変でしたね。
    これからが夏本番ですか?今年のヨーロッパのように異常に暑くないといいですね。
    日本は、今年は昨年と違って夏の暑さはまあまあでしたが、台風とか豪雨が極端でした。もっと極端になると予想されていますが、穏やかでいて欲しいものですね。

    返信削除
  6. 昭ちゃん
    中国でもそうですが、タイやカンボジアでは竹で足場を組んでいました。よくあれで登れるなぁと感心していましたが、実際は事故も多いようでした。
    単管パイプは便利ですねぇ。柵なんかもあれで済ませているところを見かけます。建設中はほんと、パイプのお世話になりましたし、今でも組み立てたり崩したり、保管も利くので重宝しています。

    返信削除
  7. 大小の森林火災があちらこちらで長期間に渡っています。主人の学校の地域も学校閉鎖でした。森林火災が住宅地に来ないように前もって周囲の木々を燃やしている場所の暮らしは安全ですが空気が煙っているので家を閉め切っています。一日中クーラーを付けてフィルターで空気を浄化するようにしているそうです。

    そうです、夏本番です。先週で4学期が終わって夏休みに入りました。新学年のスタートは1月28日からです。この夏休みにする自分用の作業リストを作りました。春さんなら寝ながらでもできそうなこと、はぁふぅ言いながらすると思います(笑)。

    返信削除
  8. Bluemoonさん
    ほんと大変ですね。お見舞い申し上げます。
    暑い中、空気が悪いとしてもエアコンのない家は窓も閉めきれませんが、そんな家はないのでしょうね(笑)。
    作業リスト、全部達成できるといいですね。
    まぁ、千里の道も一歩からですから、何でもやり始めたら弾みもつくことでしょう。ただ、やり慣れないことをはじめるときって、大なり小なり決心が要りますね(^^♪

    返信削除