日本原子力発電東海第二原発の再稼働の是非を問う住民投票の実現を目指す市民団体「いばらき原発県民投票の会」が、住民投票条例設定を県知事に直接請求するのに必要な署名集めをはじめたのは、2020年1月6日でした。
地方自治法の規定により、署名集めは期限を区切って、2か月間しかできません。請求に必要な署名は有権者総数の50分の1、約5万筆でした。
茨城県内には39市町村がありますが、どの市町村の署名も欠けてはいけません。そのため、「県民投票の会」は、ほぼ2年かけて、「受任者」と呼ぶ実働部隊を各市町村もれなく、3,500人ほど集めて署名活動にのぞみ、2か月間に、5万票を大きく超える8万筆以上を集めることができました。
コロナ禍の前だったのは、とても幸運でした。
東海第二原発は1978年に運転を開始した、日本で最も古い原子力発電所です。
もともと、原発は40年稼働したら廃炉にするという規定があり、すでに40年を過ぎていますが、2018年11月に、原子力規制委員会による安全審査に合格して、19年2月には、原電(日本原子力発電株式会社)の社長が、再稼働を目指す意思を表明しています。
福島第二原発事故時は、「日本では原発事故は起こらない」との、あり得ない確信が蔓延していたため、事故に対して、ほとんどなすすべがありませんでした。あの事故で学んだはず、廃炉にどれほど時間がかかるか見当もつかないというのに、もんじゅの廃炉が決まった原電には、東海第二原発しか残っていないのです。
東海第二原発は、半径30キロ以内に14市町村があり、人口約94万人と、日本の原発ではもっとも周辺人口の多いところに立地しています。その避難計画の策定はまったく進んでいません。そもそも、避難に関しては地震や台風などの自然災害も重なるだろうし、実効性がある避難計画をつくるのが難しいことは、市町村の策定担当者が一番よく知っていると思われます。
さて、「県民投票の会」は、膨大な署名をすべて有効なものかどうか再チェックしたり、日付順に並べ替えたりしたのち、知事に手渡しました。知事は常日頃、「皆さんのご意見に従います」と言うだけで、自分の意見は表明しない人ですが、このときも賛成とも反対とも言いませんでした。
そしてついに、県民投票条例案を審議する6月議会が始まりました。
予想したことですが議会で、県民投票条例案に否定的な意見が述べられたりしています。「議会で本格的な議論が行われてない現段階で、住民に賛否をゆだねるのは無責任ではないか」という意見です。つまり、選ばれた県議会議員である自分たちを差し置いて住民に頭越しに決められると、面子が潰れるというものです。
そんなことは、署名をはじめる前から分かっていたことですが、「では、あなたたち原発事故について真剣に考えたことがあるのか?」と問いたくなります。
東海第二原発が事故にでもなろうものなら、茨城県だけでなく、首都圏すべてが被災地になる可能性があります。
6月18日には、県民投票条例案をめぐり、県議会連合審査会が開かれることになりました。
県議会議会運営委員会は、10人の参考人を決定しましたが、なんと、うち5人は経済産業省資源エネルギー庁と原子力規制庁の職員です。これでは、「県民投票の実施か否か」を議論する場ではなく、再稼働にお墨付きを与える議論の場になってしまいそうです。
議会はともかく、知事の意見でも決めることができますが、自分の意見を持っていない知事は、相変わらず表明することを避けています。
「8万筆をもって、ようやく議題にしてもらえる」ということなんですね・・・
返信削除100歩譲って仮に再稼働するなら、廃炉の研究・技術開発もしてほしいと考えています。
東日本があって、廃炉研究の必要性が唱え産声をあげたとか、廃炉研究に50年はかかるとか聞きました。
君子危うきに近づかず、簡単に判断できることだと思うのですが・・・
人はなぜ、そういう当たり前のことがわからなくなるような人間になってしまうのでしょうか。
トップが考えを述べないのも全く腹立たしいですね。
コロナで、良きにつけ悪きにつけ、物いう首長が出てきました。
先生のおしゃる地域化が急速に起こっているように感じています。
akemifさん
返信削除つくば市も石岡市も、市長はちゃんと再稼働反対を表明していますね。誇れる市で嬉しいです。
原発の再稼働、しかも40年以上前につくられたのがどれほど危険があるか、赤ちゃんだってわかりそうなものです。
以前益子で放射線量を測り続けている人から、ひたちなか市(だったかな)が、益子市(真岡市?)への避難者受け入れ提携をするとか、したとかという話を聞きました。東京だって危ないというのに益子だって!バッカみたい。事故が起こると、益子の人だってどこかへ逃げなくてはなりません。しかも、バスを出すって?どうやって?道は逃げる車でいっぱいでしょう。
いつか、潮流が変わると信じたいです。
こんにちは。
返信削除もともと自民党は議会制民主主義を守る為と称して国民投票や住民投票などの直接民主制を阻んできました。茨城県議会は自民が過半数を占めてますからかなり難しいのではないでしょうか。それを分かっていてあえて闘いを挑む人達は立派だと思います。
昭和史を生きてきて今関心のあるのは
返信削除メルトダウンだった事と汚染水の処理です。
結局は薄めて流すことでしょー
「東京に原発を」こんな本もありましたよ。
沖縄の問題も結局は「国策」が看板 ケ セラセラの唄のようです。
独断と偏見で。
かねぽんさん
返信削除中心になってやってきた人たちは、署名を集めることにこぎつけるまでにも、山越え谷越えでした。手続きは複雑を極めていましたから。
署名にこぎつけただけでもすごい成果、集めた署名の数もすごい成果、県民投票が実現すれば最高でしたが、もしここで握りつぶされたとしても、歴史は少しずつ変わっていくのではないかと思います。
民主主義の真髄は、多数決で押し通すことではなくて、どんな小さな声にも耳を傾けることだと言われていますが、議員さんたちには言うだけ無駄に思えます。
昭ちゃん
返信削除原発事故は生き方を変えるいい機会でしたが、そうはいきませんでした。
今回のコロナ禍で、速くて大きくて儲かることだけでなく、身の丈に合った生活が見直されるといいのですが。
追伸 憲法改正でどんな方向に向けたいのー
返信削除もう世界の情勢が納められない時代の要望かな
良く歌ったなー「東洋平和のためならば、、」
当時の補充兵・ホースケです。若い方の意見が聴きたいです。
昭ちゃん
返信削除賢い政治家を選んで行きたいです。
本当は選挙制度を何とかしなくてはならない、国民も賢くならなくてはいけない。問題は山積ですが、今日も楽しく生きましょう(^^♪
次男が常陸多賀市に住所を移したので、引越しの手伝いで、4月に2度ほど行きましたが、ひたちなか市から北側の道路状況もかなりよくないですよね。もしものことがあったら、大混乱すると容易に想像できます。
返信削除ちょっと考えただけでも恐ろしいです。
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返信削除昭ちゃん、「東洋平和のためならば、、」♪
返信削除私の母も軍人の兄たちを誇りに思っていた(いる)ので、よく歌ってたらしく、
戦争のことは思い出したくないといいながら、
兄たちを懐かしく思い出すときは、かならず歌ってました。
たぶん、今も覚えているだろうな。。。
akemifさん
返信削除日立市多賀は30㎞圏内ですね。道路が混雑するだけでなく、東日本大震災のときは、とくに海岸沿いの道路は地震と津波で、あちこちでずたずたになっていました。
小さな地球で、原発事故など起これば、地球上どこに住んでも心から安全なところはないとはいえ、もう危険な賭けに出るのはやめたいです。
生活そのものを、実感できるサイズに近づける試みが、ますます求められると思います。
アメリカが核実験を行っていたビキニ島を覚えていらっしゃいますか?ビキニ島から追い出された人々が、近隣の島々に住んでいますが、今でも後遺症に苦しんでいらっしゃるようです。
♪東洋平和のためならば♪、知りませんでした(笑)。
akemiさん春姐さんから連絡が有りましたので、
返信削除所謂戦時中の戦意高揚の軍歌で続きは、「、、、、何でこの身が欲しかろう」
反対語で「欲しくない・大儀のためには命を差し上げても悔いはない」と言うことです。
「ちっぽけなわが体ですが東洋平和のためならば差し上げても惜しくないです」
ついでに「水着のビギニ」の語源
当時の事なのであまりの露出度に隠れる処が無いビギニ島を引っ掛けた名前です。
日本はマグロ船「第五福竜丸」が被爆しましたね。