2020年7月25日土曜日

煙草入れの籠



デスクのあたりに、夫の印鑑入れが転がっていました。
長年、わりと雑に扱っているのに、ほぼ傷んでいません。もともとは印鑑入れではなく、煙草入れです。


草で編んだ煙草入れは、かつてはいろいろな国の籠屋さんで目にしたものですが、今ではどうでしょう?
1960年代に、世界はずいぶん変化を遂げましたが、21世紀に入って、AIの発達で、さらに劇的な変化を遂げました。
 

もし手仕事が残っているとしても、煙草の社会的な位置が、すっかり変わってしまっています。煙草を愛でていつくしむという風潮は世界中から消えてしまっただろうから、煙草入れなんてつくる人がいなくなっているかもしれません。


さて、印鑑入れに選んだ煙草入れは、我ながら大正解でした。
開閉がさっとできる上に、素材に張りがあって形が崩れません。
この写真の上段の3つ、たぶんタイ製だったと思いますが、開けるのに大苦労します。 夫なら引きちぎりかねないし、こんなの使えないよとばかり、ゴミ箱に放り込みかねません。


タイ製の煙草入れは、ぴったり収めると、指を身と蓋の間にねじ込んで、力を込めて引っ張り出さなくてはなりません。
ぴったり収めないで、中途までしか入れておかなかったとしても、身を引っ張ると、蓋が指ハブのように締めつけてくるものもありました。


その煙草入れ、身の方は、まるで底を色を使った別ものを貼っているように見えますが、内側をのぞいて見ると、一体になっています。手が込んでいる、底を二重編みにしているのです。
どれも、蓋をもう少し大きくつくった方がよさそうですが、大きめにつくっても編み方が編み方なので、指ハブ状態になってしまうかもしれません。


タイ製のもの以外(ほぼフィリピン製か?)は、印鑑を入れているものも含めて、どれも開けやすくできています。


一番手の込んだ編み方をしている、海老色のものは材料が薄いので、形を保つために、中子を入れています。


これは、雑な夫の印鑑入れにするには、繊細過ぎます。印鑑入れとしてはあれ以外、選択の余地がなかったことがわかりました。
煙草入れを、かつて軽い気持ちで家族みんなのお財布にしたりして、いくつか使い倒してしまいましたが、もう使えません。手仕事に乾杯です。







4 件のコメント:

  1. 煙草入れ(印鑑入れ)どれも編み目や色が素晴らしいです。
    カンボジア旅行の土産に買って来た砂糖が入った蓋つきの籠を思い出しました。
    もっと単純な編み目でしたが、籠作家の友人に持って行った時に、中身より入れ物に興味を持たれてしまいました(笑)。

    指ヘビは、沖縄産の他、紙バンドで作った物もおもちゃ美術館に展示してあります(又美術館の話で恐縮)。以前にそれを見た来館者の方が、「マッサージに使う」と同伴の方と話しているのを耳にして、詳しく伺ってみると、住んでいらした事のあるタイでは指のマッサージに使っていたとの事。指ヘビは、シルクロードを経て沖縄に伝えられたと聞いていましたが、マッサージにも使われるとは初耳でした。

    返信削除
  2.  リタイヤした人生が永いのに体内時計は確実に四連休です。
    浅川さんのCD二枚組来ました-!!

    返信削除
  3. reiさん
    その昔から、カンボジアでは絹織物などを買うと扁平な籠に入れてくれる習慣がありました(http://koharu2009.blogspot.com/2012/06/blog-post_28.html)
    また、日常に買うお菓子(http://koharu2009.blogspot.com/2010/03/blog-post_20.html)やソーセージなど、とてもきれいにパッケージされていましたが、だんだんヤシ砂糖やスパイスなどのお土産やギフト商品もおしゃれな容器に入れるようになり、何とも素敵な習慣です。レジ袋も使わないし。私も中身より籠に惹かれます(^^♪
    カンボジアではパルメラヤシの葉を使った籠が多いのですが、籠をつくるのは農家のおばちゃんたちの内職でもありました。
    確かに指蛇はタイでも見ましたが、マッサージに使うのは知らなかったなぁ。コップを背中に貼りつけて真空にしてうっ血させる方法、カンボジアでは時々やってもらいました。しばらくあとが取れませんでしたが(笑)。

    返信削除
  4. 昭ちゃん
    朝は雨が降っていたせいもあり、私もお休みモードです。
    もう雨が止んだのになぁ。
    東京ではまだセミが鳴かないとか何とか言っていますが、こちらは大合唱です。
    先月までこの時間は「久米宏のラジオなんですけど」を聴いていたのですが、終わってしまったのでぼんやり。本でも読みましょうか?

    返信削除