2020年10月27日火曜日

劣化した!


アメリカの動物学者エドワード・モース(1838-1925年)は、進化論の観点から腕足動物を研究対象として選び、1877年に、腕足動物の種類が多く生息する日本に標本集めにやってきましたが、日本では大森貝塚を発見し、日本考古学の基礎を築いた人として知られています。



来日したモースは日本の文化に関心を寄せ、近い将来消えるであろう生活や道具、すべてのものを惜しんでたくさんのスケッチを残し、写真を集め、「もの」を集めて帰りました。
『モースの見た日本』(小学館、1988年)は、『百年前の日本』(小学館、1983年)に続いて、モース生誕150年の年に出版された本で、アメリカ東海岸の小さな町セイラムにある、ピーボディー博物館の所蔵品(土のついた下駄、商店の看板、人力車などなど)の一部が紹介されています。



この2冊の本は隅々まで興味深く、見て見飽きることはありませんが、その中には中身の入ったままの食品も数多く含まれています。



左がコンペイトウ、右が貝殻の形をした砂糖菓子です。
今となっては味見することはできませんが、もしモースが集めていなかったら、私たちは目にすることができなかったものです。



というわけで、私も金華糖を食べないで残しているのですが、色褪せが激しく、捨てたものかどうか悩むようになりました。



金沢の金華糖(右下)は色が褪せてもしっかりしていますが、東京の金華糖はぎりぎり。



大きい招き猫は耳が取れているだけでなく、袋を替えようとしたら、ばらばらに壊れてしまいました。



壊れたのは、袋の口が空いていて、湿気たのが原因だったのかと、ほかの金華糖たちも密閉できる袋に入れ替えました。


しかし、どうしましょう?
張り子犬はひどい色に変色しているし、この籠入りのかわいかった鯛(左下)も、



すっかり色あせてしまっています。



比べるものではないけれど、ピーボディー博物館の紙のお面の保存状態の良さ!
やっぱり汚くなった金華糖は捨てましょうか?それとも、齧ってみましょうか?






 

6 件のコメント:

  1. 金平糖のお店「新杵」を検索したら、大磯で現在も営業中でした!すごい~。
    お砂糖自体は劣化しないんじゃなかったでしたっけ?煮物に使うとかどうでしょう。

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  2. hiyocoさん
    毎度ながらすごい!お店の名前で検索するなんて、考えても見ませんでした。甘いね(笑)。
    写真で見たら美味しそうな干菓子とかありましたね!
    コンペイトウは、今では確か大阪を中心にわずか数軒しかつくってないから、新杵堂ではつくってはいないかもしれませんね。
    金華糖は齧ってみました。ただのお砂糖、美味しくはありませんでした(笑)。確かに煮ものに使うのがよさそうですね。

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  3. モースの「日本その日その日」を思い出して本棚から引っ張り出して来ました。全3巻、沢山のスケッチを見ながらの拾い読みで終わっていました。

    イザベラ・バードの紀行文もそうですが、外国人の目から見た当時(明治時代)の日本が正直に描かれていて面白いですね。貴重な資料でもあり、日本人が研究を始める前のアイヌについても両者共に描いています。

    余談ですが、大原のベニシアさん(猫のしっぽ カエルの手)は英国の貴族出身で、祖父がやはり明治時代に日本を訪問したとの事。その時の通訳が、イザベラの通訳兼従者だった伊藤鶴吉だそうです。開国後のミステリアスな日本に、英国人たちも興味を持っていたのでしょう。

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  4. reiさん
    『日本その日その日』は読んだことがなかったのでポチっとしてしまいました(^^♪
    そうそう、あの当時からこんなワンダーランドな世界は早晩消えるだろうと彼らが予知しているのが切ないです。
    明治に来たモースは、日本では子どもがとても大切にされている、どんな職場にも子どもがいると書いています。また、日本人の書いた七五三の歴史を読むと、江戸まで子どもは家の跡継ぎとして扱っていて可愛がる対象ではなかったのが、明治になって急にねこっかわいがりになったという記述があって、面白いです。
    伊藤鶴吉は勉強家だったようで、外人さんからは引っ張りだこだったようですね。漫画のイザベラバードでは、最新刊が、伊藤の元雇い主が伊藤をよこせと言って、緊迫しているところです。最近は、「イト」はもう漫画の顔しか思い浮かばないほど、漫画は伊藤鶴吉に焦点を当てて描いています(笑)。

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  5. イザベラバードはアニメ本にもなっていたのですね!
    図書館の蔵書を私もポチっとして予約しました。

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  6. reiさん
    イトが主人公の漫画です(笑)。

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