2021年3月14日日曜日

網杓子


先日餃子鍋をしたとき、ままごとの穴あき杓子を使いました。


穴あき杓子といえば、ほかには調理用のものがあるだけ、お鍋には大きすぎます。おもちゃの穴あき杓子はそれでも、具合よく使うことができました。


じつはお鍋から崩れやすいものをすくうのにふさわしい網杓子を、しかも買った当時、1980年代の家族の人数分持っています。
これを使うことも頭をよぎったのですが、真鍮の針金が細く、形崩れしてしやすいので、つい使わないで済ませてしまいました。


これは、タイスキ(タイ風水炊き)用の網杓子で、タイスキのお店ではどこでも使っているし、市場だけでなく、スーパーマーケットの台所用品売り場でも売っていたような、ありふれていた代物ですが、細い針金と少し太い針金を使って、手で巧みに編み上げています。


何度も使いましたが、乱暴に扱ったり洗ったりすると、細い針金が曲がってしまうので、気を使います。それで、ついついままごとの穴あき杓子で済ませたというわけです。
もっとも、形が崩れても、手で簡単になおせます。

網杓子の技術は、中国からタイへと伝わったのでしょう、日本の京都にも同じ形の網杓子がありますが、昔はともかく、今では手仕事というだけで超高額です。タイでも、もうつくる人はいなくなって、タイスキのお店では工場製品を使っているかもしれません。


と、ここまで書いて、雑貨の谷中松野屋さんが、2015年のブログで、久々にタイの網杓子が入荷したと書かれているのを見つけました。
その当時まではつくられていたのでしょう。これは底に太めの針金を1本回して、丈夫なように改良されているものです。


同じころの別の雑貨屋さんの写真、こちらは私が持っているのと、同じ形です。


ついでに、工場製の穴あき杓子を使っているタイスキの写真も見つけました。


洗うのが面倒などと言わず、次に餃子鍋とか湯豆腐をつくるときは、この網杓子を使ってみようと思います。








6 件のコメント:

  1. なんだか、猛烈に湯豆腐が食べたくなりました(笑)
    白菜が安くて、甘くて・・・、つい白菜鍋ばかりしてましたが・・・
    湯豆腐は祖母がよく作ってくれました。穴杓子だったと思います。
    そういえば、あれ、未だ実家の台所に眠ってるかも・・・。

    そのころは、豆腐屋にお買い物に行くのは自分の仕事でした。
    店先に大きなタイルのお風呂があって、豆腐がゾロゾロ入っていて、そこからすくってもらいました。
    ただ、そのお店も店じまいして、かれこれ何十年たちました。
    確か、半丁なんていう買い方もあったように思います。
    だから、1丁って言える日がなんか誇らしげだった気もします(笑)

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  2. akemifさん
    白菜は、よく煮るといくらでも食べられますね。
    私はお豆腐は苦手というほどでもないけれど、たくさんは食べられません。学生時代、幹事に豆腐好きがいて、ときどき豆腐専門店でクラス会をすることがありましたが、コース料理の半分も食べないうちに「もういい」となってしまって、身体が受け付けませんでした。それが今に尾を引いているのかなぁ(笑)。
    でも、寄せ豆腐は大好きです。また、柔らかい豆腐にショウガの利いた熱い黒蜜をかける、タイの「ターフェ」と呼ばれるスイーツも好きでした。、街で「ターフェ」の行商人に会うと、必ず呼び止めて食べていました(^^♪
    そうそう、昔の自転車や自動車の豆腐屋さんは、独特の笛を吹いていましたね(^^♪

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  3. 春さま
    先日はわたしのブログでお断りもなく勝手にリンクさせてしまい大変失礼いたしました。針金を捻って作り上げるこのような網杓子も焼き網同様に、この素材であるから形となるのだと改めて感心させられました。たしかに紐のような軟材ですと、一度結びを加えて漁網のようなつくりとなると、別の方の意見がございました。タイスキの網杓子も、こちらの記事のようにたくさん集まると、いろいろ比較してみることができとても参考になります。余談ですが1995年頃バンコクのレストランでタイスキを食べたときのものは、写真と同じステンレスの穴あきお玉だったと、今回むかしのスナップ写真をアルバムから探し出して確認しました。いつもさまざまなモノの紹介を考察をとても楽しく拝見させていただいてます!

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  4. フナコレタロさん
    いえいえ、ネットにあげたものはご自由にお使いください。それより、ご紹介ありがとうございました。
    柔らかい紐で同じようにつくるとすると、漁網ではなくてマクラメ編みと比較できるでしょうか。最近は街に出てないので見かけるかどうかわかりませんが、かつて花屋さんの店先などで植木鉢を入れるようにジュートなどで編んで、吊るしてあったのがマクラメです。マクラメは多数の紐を交互に結びながら形をつくりますが、手編みの漁網は確か1本の紐を編んでいくのだったと思います。
    1995年には、タイスキの杓子はもうステンレスでしたか。ステンレスの方が洗うのはずっと楽そうです(笑)。

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  5. 鍋に入れるもの...写真にある肉のお皿に添えられた生卵2個...これは?どのように調理するんですか? ヤングコーンにひき肉、これは次回真似してみたいです。いいですね〜♪

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  6. hattoさん
    タイスキにも大きく分けると二種類あって、もっと一般的なのはエビのつみれなど海鮮を多く使ったものですが、これは肉を使ったもの、どちらかといえば日本のすき焼きに近いと言えるかもしれません(タイスキ=タイのすき焼き)。卵は肉と混ぜてからお鍋に入れます。
    タイ料理は、材料とかつけ合わせとかが厳密に決まっていて、例えばさつま揚げにはキュウリの甘酢和えというように、どこで食べても同じ組み合わせでしたが、ホテルのメニューから外国人向けにマイルドになったものに変化して行って、タイスキも今ではどうなっているかわかりません(笑)。
    タイスキの材料は、あらかじめ好きなものを注文しますが、最後のしめを、緑色のビーフンにするかご飯でおじやにするか迷うところでした(笑)。どちらも美味しい!

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