骨董市で、おもちゃ骨董さわださんの店をのぞくと、
「セルロイドを持ってきたんだけど、見る?」
と訊かれました。
「見な~い」
なんて言うはずもなく、見ると言うと、
さわださんは足元から、蓋をしたままの古びた紙箱を取り上げました。
中には、ピンクのクマと、ほかにもセルロイドが入っていました。
さわださんはクマから一つ一つ手に取って、値段を言いながら見せてくれました。
ひっくり返っていたのは、鏡台とテーブルでした。セルロイドの板とパイプを使った細工は素敵な色遣い、結局全部いただいてきました。
椅子があればもっとよかったけれど、テーブルと鏡台はなかなかの可愛さです。
セルロイドを型抜きするのではなく、組み合わせてつくる方法は、赤ちゃんを寝かせた布団の上に吊るすメリーゴーランドなどに使われる手法ですが、テーブルや椅子はともかく、鏡台をつくろうという発想が面白い。
縁日などで売られていたのでしょうか?
小さいクマの首輪は、とても凝っています。当時の職人さんの心意気が伝わってくるような意匠です。
手に取りもせず、箱入りのまま連れてきたクマの背中には、「MADE IN OQQUPIED JAPAN」というエンボスがありました。
アメリカの占領下であった、1947年から1952年の間につくられたものでした。
ピンクのクマは、我が家にもう1匹います。
こちらは足の裏に「JAPAN」とスタンプされているだけ、とすると、大きいクマは小さいクマより新しいのかもしれません。
新しいと言っても、1956年には、セルロイドの最大の輸出先であったアメリカが、可燃性が強いからとセルロイドの輸入を禁止しているので、それ以前につくられたものであろうと思われます。
当時、アメリカのセルロイドの輸入禁止は、日本のセルロイド界だけでなく、輸出産業そのものに大打撃を与えました。
そんなことには関係なく、くつろぐクマたちでした。
さて、さわださんちのミルキーはどうしたかとヒヤヒヤしていましたが、一緒に来てなかった、眼球の摘出が決まったそうでした。
いつも、さわださんの店先で話し込んでいる男性(同業者?)が、
「これで、犬を飼うのは懲りたでしょう?」
と訊くと、さわださんは、
「どうかなぁ」
と言っていました。
そうそう、前に飼っていた犬が死んで、お連れ合いがえらく嘆き悲しんでいるという話を聞いた次に、
「うちのやつが小さい犬を抱いて帰って来たよ!」
と、弾んだ声でミルキーの登場を聞いたのは、前の犬が死んでから1か月も経っていないときでした。
思えば、さわださんとのつき合いも長くなったものでした。
と、弾んだ声でミルキーの登場を聞いたのは、前の犬が死んでから1か月も経っていないときでした。
思えば、さわださんとのつき合いも長くなったものでした。
懐かしい勝鬨橋やセルロイド・庭で見られるアステカモドキと
返信削除幅広いな_
わぁぁい、昭ちゃん
返信削除コメントありがとう。嬉しい(^^♪
お助けさんたちがいるから心強くは思っていたんだけど、ブログなんか見るのめんどくさいと思っているだろうなぁと、思っていました。暑くなってきたけど身体には気をつけて。脚が悪くてもできるだけ動いて、元気でいてください。
夢で見る彼女は遠くにいるな_
返信削除昭ちゃん
返信削除寂しいですね。
でも、彼女の夢の中には絶対に昭ちゃんや娘さんたちがいますよ。近くに。