2021年11月29日月曜日

ゴマ

                    

これは、山一つ向こうに住む友人が育てた金ゴマです。
使う都度炒れば最高ですが、つい手を抜いて、一度にたくさん炒ってしまいます。よく冷ましてからビンに入れておいて使っています。

ゴマはスーダンあたりのサバンナの原産で、アフリカ大陸には今でも30種類くらいの野生のゴマが生えています。野菜の野生種を見るというのは面白いこと、ソマリアで野生のスイカを見た時も、タイで野生の稲やコンニャクを見た時も大いに感動しました。
また、栽培種のゴマで最も古いのは、考古学の発掘調査で見つかった、約3,500年ほど前のインドの遺跡のものです。インドのほかにも、紀元前からエジプトなどで栽培され、薬用や食用油の材料として使われてきたことがわかっています。
原産の地アフリカでは、現在はゴマがどのように利用されているのでしょう?
その昔、ガーナのクマシで暮らしていた2年間、週に2回は行っていた市場で、店を持っていなくて歩きながらゴマを売っている人に一度だけ出会い、買ったことがありました。なにかの油で絡めたゴマでした。
しかし、その時以外、ガーナ、ブルギナファソなどの西アフリカ、またのちに訪れたケニア、エチオピア、ソマリア、タンザニアなど東アフリカの国々の市場で、ゴマを見たことはありませんでした。
 

ゴマは日本には、縄文後期に中国からもたらされました。また、中国には紀元前3,000年ごろイランあたりからもたらされています。
こんなに歴史の長いゴマ、日本ではかつて、お百姓さんたちは誰もが自家用にゴマを育てていました。ところが今では、ゴマを育てている農家はほとんどなくて、99.9%を輸入に頼っています。
というのも、土を選ばず丈夫に育つゴマですが、収穫に手がかかります。手作業で、適期に適切に収穫しなくては種がこぼれ落ちて失われてしまう厄介な作物なので、労働力の安い地域でしか、売るためにはつくられていないのです。
年によって出来不出来があるのか、輸入先の順位がころころと変わるのも、ゴマの特徴です。最新の統計の2019年の輸入では、スーダンからの輸入が一番多く、次いでビルマ、インド、タンザニア、ナイジェリアからとなっていますが、しばらく前までは南米のグアテマラが輸入先の一位でした。

ゴマ=和食のイメージがありますが、それがスーダン、ブルギナファソ、チャド、ニジェール、カメルーンなどのアフリカ諸国をはじめ世界中から来ていることを知らないで食べている人がほとんどだと思います。


2019年の統計で、日本のゴマ輸入国の第8位のエチオピアでは現在内戦が続いており、日ごとに深刻さを増しています。
エチオピアには、ティグレ、アムハラ、オロモ、ソマリなどの大民族集団とともに、たくさんの少数民族が暮らしていますが、民族に関係なく西洋によって国境線が引かれたことが、政治を不安定にさせており、これはエチオピアだけでなく、アフリカのたくさんの国が抱えている問題でもあります。






2 件のコメント:

  1.  田舎のない東京っ子が初めて畑を見て恐る恐る手に取り
    開けてびっくり「ごまだ~」

    返信削除
  2. 昭ちゃん
    ゴマは花も美しくて、素適な作物ですよね。
    味よし、香りよし。でも食べるとき、アフリカの大地も想像したいですね(^^♪

    返信削除