2022年4月1日金曜日

さらば、木綿(キワタ)

これは昔の写真。今はもっとごちゃごちゃ

居間の長椅子には、長椅子をつくってくれたバンコクの家具屋さんにおまけでいただいたクッションを3つ置いています。
クッションは10年以上前のもの、夫がここでほぼ毎日クッションを枕にして寝っ転がるので、カバーが傷んで、もとからのクッションカバーは2つだけになっていました。

ところで今回、頭を怪我した私を寝かすためにクッションを一つ使ったので、汚れてしまいました。汚れたクッションカバーを洗濯しようとして外し、さらに綿を包んでいる中袋も汚れていたので解いて、綿を取り出して、びっくりしました。


綿がポリエステルだったのです。
かつて、クッションの綿は、カポック(キワタ、日本語ではパンヤ)が定番でした。日本でも、手芸用品店には必ずありました。


タイで暮らしていたとき、国内を旅行して、初めて大きな木にキワタの莢がたくさんぶら下がっているのを見たときは、えも言われず感動したものでした。
後に深くかかわることになったタイの田舎では、敷布団を細かい袋状に縫って、それぞれの袋ににキワタを莢ごと入れてパンパンにしたものを使っていました。


日本でも売られている三角枕、あれにも莢ごとのキワタが入っています(いました?)。
そんなキワタの生産地なのに、何てこと、クッションの綿にポリエステルを使うなんて!
ただ、カポックの綿はだんだん痩せて、へたれてくるので、クッションがぺちゃんこになったら新しい綿を買ってきて足し入れるのですが、これが、半端なく入ったものでした。


クッションカバーと中袋は漂白したので、洗わなかったクッションカバーと比べると、すっかり白くなりましたが、生地はもう薄くなって、ほとんど布が破れそうです。

長くクッションを買ったことがなかったので、中綿がどうなっているのか知りませんでした。ネットで見ると今では、キワタではなくへたれない特殊ポリエステルの中綿が主流のようです。
細かくなったキワタの屑が布にこびりつくということもなくなったのかもしれませんが、生活のあらゆる側面が、化学製品によって彩られていることを実感した中綿でした。





 

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