2022年5月17日火曜日

マトリョーシカ事情


おもちゃ骨董さわださんが、小さなマトリョーシカを2つばかり持っていて、その1つはヨシュカル・オラのマトリョーシカでした。
思わず手に取って見ていると、
「仕入れるとき調べたけれど、中身は揃っていたよ。500円」
と、さわださん。


確かに、中の娘たちは欠けていませんでしたが、肝心の一番大きい娘がいません。
ロシアのマトリョーシカの一番大きいものには、ほぼもれなく台座がついています。ということは、この写真のマトリョーシカの一番大きく見える娘は台座がないので、実際は二番目以下の娘だということになります。
一番目と二番目以下とでは顔の描き方が違うので、表情でも判別できます。最近のマトリョーシカは、二番目以下でも顔を描くときに手を抜いていないものが多いのですが、ソヴィエト時代のものは、小さくなるほど、どんどん手を抜いていきます。これも一番小さいマトリョーシカには眼鼻がありません。

最近のマトリョーシカは、3個組み、5個組み、7個組み、10個組みなどセットの数が決まっていますが、昔のものは自由でいろいろな数のものがありました。そのため、このマトリョーシカの大きいものが幾つ欠けてしまったかは不明ですが、一番外側のものが色褪せたり割れたりして、1つだけなくなった可能性が高い気がします。


さわださんの持っていたヨシュカル・オラ(右)と、手持ちのヨシュカル・オラのマトリョーシカの二番目の娘(中)と比べてみると、ちょうど同じくらいの大きさでした。
もし1つだけ失われているとすれば、一番大きい娘はこのくらいの大きさ(左)だったのでしょう。


道上克(みちがみまさる)さんの『マトリョーシカ・アルバム2019』を見ると、プラトーク(スカーフ)の結び目が八の字形のものは、1970年代につくられたようです。


そして、引っかけただけのような独特な結び方のマトリョーシカは、1980年代につくられたようです。
1980年代のマトリョーシカは、プラトークの結び方だけでなく、ブラウスの前立ての赤い布(刺繍?)があること、エプロンをつけてないこと、帯を左前で結んでたらしていることなどの特徴もあります。


ロシアのウクライナ侵攻で、ロシア製品はどうなっているのかしらと、久しぶりにヤフーオークションでマトリョーシカをのぞいてみました。
ぱらぱらとしか見ませんでしたが、ほとんどのマトリョーシカに、入札者がいません。出品されているのは600点ほど、マトリョーシカを欲しがる人は限られているとはいえ、入札者がいないということは、ウクライナ侵攻の影響なのかもしれません。
ついでに、欧米のネットオークションサイトのeBayではどうなっているのかと、そちらものぞいて見ました。
ところが、マトリョーシカとか入れ子人形と英語で入力すると、マトリョーシカの一覧が現れず、もっと絞って検索するようにとの注意書きが出てきました。主要出品国のアメリカ、イギリス、カナダ、フランスなどでは、マトリョーシカの売買に禁止措置が取られているとも書いてあります。試しに日本語で「マトリョーシカ」と入れてみると、禁止措置をかいくぐったものなのか、10点ほど掲載されていました。通常どのくらい出品されているか定かではありませんが、数百個、数千個だと思われます。
欧米では、ロシアのものは古いものも徹底して売買されていないようでした。





 

4 件のコメント:

  1. ロシアのものがネットオークションでも売買が禁止されているとは驚きです。

    近くのロシア雑貨店の店主が、コロナで買付に行けなくなったとこぼしていたのを思い出して、更に今回の制裁の影響があるのではと、久し振りに行ってみました。
    マトリョーシカは現代作家のものしか扱っていないので、オークション事情は知らないとの事。作家達から直接届くものはこれまでとは変わらずに送られて来る様でした。

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  2. reiさん
    お騒がせしました。
    その時だけ私のコンピュータが変だったのか、それとも狐に化かされたのか(笑)、真実だったのか、さっき見たらeBayでマトリョーシカが20,000点以上、セカイモンで13,000点も出品されていました。申し訳ないです。
    まぁよく考えたら、ソ連時代に外貨獲得の目玉だったマトリョーシカは、ほとんどがロシア以外の国にあるはずだから、関係ないのがわかります。
    ごめんなさい。m(_ _;)m

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  3. そうでしたか。
    それでもお陰様で(笑)新たなマトリョーシカを我が家に迎える事になりました。春さんは現代ものには興味が無いとの事でしたが、ウッドバーニングと淡彩で仕上げたものを可愛さに釣られて、つい買ってしまいました😀。

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  4. reiさん
    えっ、そんなことを書いていましたか?
    私は現代のマトリョーシカも大好きです。現代ものに関心がないのは道上さんですよ(笑)。
    好きな作家さんもいます。最近はあんまり買うことがないけれど、コケーシカとか、マリンカとかマトリョーシカのお店もちゃんとチェックしています。
    マトリョーシカの実店舗を訪ねたことがあるのは3回くらいでしょうか、思いがけず気に入ったものに出逢った店(好きなものが安い)、たくさんの品揃えなのに欲しいものが一つもなかった店、気に入ったものはあったけれど買う気にはならなかった店(高い)、いろいろでした(笑)。

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