トチの木の下にトチの実がこんなにたくさん落ちるのは今年が初めてです。
栗と同じように勝手に落ちるので、縄文の人は拾うだけでよかったのです。
なんとなく拾い集めましたが、一度くらいはトチ餅をつくってみてもいいかなと、下処理をはじめました。
栗と違って、一つの実の中には種が一つだけ入っています。水を替えながら、3日ほど浸けておいたら、かなりの灰汁(あく)がでました。
灰汁出しした種を一晩熱湯に浸けておいて、さらに灰汁を出してから、皮をむきました。
栗の皮をむくのと同じくらい力が要ります。
数個むいただけで、嫌になりました。
いったい縄文の人たちはどんな道具で皮をむいたのでしょう?よく切れる刃物があったとは思えないけれど、みんなで集まっておしゃべりでもしながら皮をむいたら、苦にはならなかったのでしょうか?
食べるときの嬉しさを想像しながら作業したのかもしれません。
種を手に持ってむくのではなく、まな板の上において、周りを大胆に切り落としてから上下の鬼皮を外すようにしたらやっとリズムが出ましたが、それでも皮むきに飽きて(疲れて)何度も休みを入れました。
トチの種には、どれにも芽がついています。「これから木になるぞ」という力がみなぎっている芽です。
芽も食べられそうですが、切り落としました。
いったい何時間かかったでしょうか?
やっと終わりが見えてきました。
むいた種は、このために取って置いた網に入れ、これから1、2週間水に晒します。
本当は流水がいいので、近所の滝に沈めるつもりでしたが、台風が近づいているのか、時折雨が強く降っているので、滝に行くのは断念、とりあえず、家で水を替えながら晒してみることにしました。
水に晒した後は、草木灰をまぶしたところに熱湯を加え、数日置いておいたりして、やっと下処理が終わります。
この、流水に1~2週間さらすというのが最大のネックですね。近くに、さらせるようなきれいな流水があるという条件は難しいです。
返信削除まあ,栃の実もそうは拾えませんが(^^;)。
たまに数個拾えて、可愛い実だしどうしようかと思います。結局しわが出てきて最終的にまた土に返すことになります。
栃の実せんべいとか栃餅とか売っていますが、本当はどんな味がするのでしょうね?
karatさん
返信削除私も、「沢に浸けるのはなぁ」と思っていましたが、水をこまめに替えればボウルでも大丈夫そうです。その後の、草木灰をトチの実の2倍量まぶすという方がネックです。冬ならストーブから出た灰がありましたが、今は焚火場に溜まっている灰を掘ってこなくてはなりません。普通の暮らしでは大量の灰を手に入れる機会はないですよね。沢の水も草木灰も、昔は身近にあったものなのに、すっかり生活スタイルが変わってしまって、今ではとても遠いものになっています。
縄文のころはトチの実だけで餅をつくったのかもしれませんが、今ではもち米にちょっぴり加えているだけでしょう。トチの実の割合が少ないからか、私が鈍いのからか、美味しいけれどあまりくせのない味だと思いました。