2022年12月4日日曜日

ブータンの弁当籠


骨董市で、ガラス骨董のわじまさんが、籠ばかり入った箱を置いていました。
のぞいてみると、小さなブータンの弁当籠がありました。
「これはいくらかな?」
「どちらも1つ500円」
「えっ、これ身と蓋で一つになっている、ブータンの弁当箱なんだけど」
ガラスには詳しいわじまさんも、籠にはたいして思い入れがないようでした。
「そうだったの?じゃ、2つで500円でいいよ」
というわけでいただいてきました。

GNHより

最近では、子どもたちもこの弁当籠を使ってないと聞きます。
それに、弁当籠としてはちょっと小さいものです。


帰ってからなんとか蓋を閉めようと四苦八苦しましたが、固くて閉まりません。ブータンの弁当籠は少々手荒にしても壊れないのを知っていますが、力を込めても閉まりません。


上の写真は、今は亡きとみやすさんがブータンに行ったとき、お土産に買ってきてくれた弁当籠です。
1990年代初頭、ブータンは海外からの観光客からは最低50万円を両替させて、ブータン内で使わせるという政策を取っていました。お金を巻きあげるというより、観光客を制限するという目的があっての政策だったと思われます。
お連れ合いを亡くして落ち込んでいたとみやすさんをタイのスタディーツアーに誘ったのは、そのちょっと前でした。人生初の海外ですっかり明るさを取り戻した彼女は、次の訪問地に、ブータンを選びました。
とみやすさんは、もとからブータンの国王が大好きで、アイドルなみに憧れていたのは知っていたし、当時もと同僚のMくんがブータンで働いていたので、彼を訪ねての旅なのも知っていましたが、何せお金がかかるのでびっくりしたものでした。
彼女にとっては、ブータンに行くことができれば、そこにお金を置いてくるのは、何でもないことだったようでした。


弁当籠は直径が大きい方が開けやすいという原理になるでしょうか。一番大きい弁当籠は、比較的開け閉めしやすいです。
と、ここまで書いて、チビ弁当籠をもう一度閉じようと試してみましたが、やっぱり無理でした。
ブータンの人たちは、この籠を楽々開閉するのでしょうか?


さて、後ろに敷いた布はブータンの木綿の織りものです。


どんな時に使われる布かは、Mくんに訊き忘れました。


表にだけ色糸が出る織り方です。
地が赤い布の縫い取り糸は木綿、地が白い布の縫い取り糸はヤクか羊かはわかりませんが、毛糸です。







 

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