2023年11月4日土曜日

伊根浦

舞鶴に到着した次の日、漁村の伊根に足を延ばしました。


天然の入り江になった海岸をぐるっと取り囲むように舟屋が建っていて、漁船は舟屋に直接停泊できるようにつくられています。
最近は、伊根は一大観光地となり、週末ともなれば、国内外からどっと観光客が押し寄せているようですが、それにも損なわれていない家並みが続いています。

舞鶴を7時前に出発したので、伊根には8時過ぎには着き、漁村をざっとめぐってから、遊覧船の動き始める9時を待ちました。入江の中をめぐる遊覧船に乗ると、舟屋を海から見ることができます。


遊覧船に乗り込むと、船のまわりをたくさんのウミネコが取り囲んでいました。
このときは知らなかったけれど、遊覧船の乗り場でエビセンを売っていて、客がそれを投げるとウミネコがキャッチするのです。
それまで人影はちらほらとしかなかったのに、バスが着き、遊覧船に観光客がどっと乗り込んできて、たちまち満員となりました。


遊覧船が動き始めると、ウミネコも飛び始めました。私たちも台南から来た女性からエビセンをもらって投げましたが、彼女は投げずにエビセンをつまんだまま、ウミネコに取らせています。
外国人なのに、いろいろよく知っています。



というわけで、ウミネコが遊覧船の周りで乱舞し、舟屋を撮っているのか、ウミネコを撮っているのかわからない状況になってしまいました。


かつて、舟屋には人は住まず、その背後の家に住んでいたようですが、今では舟屋も宿泊施設などに改造されているようです。


ここのウミネコたちは、もはや遊覧船が命綱で、自立的な生活は送れなくなっているに違いありません。






 

4 件のコメント:

  1. 舟屋がひしめき合って立っているのは壮観ですね!
    最後のウミネコの写真、いいですね。カメラですか?それともスマホ?

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  2. hiyocoさん
    あんなに、工業化された汚いものが目に入らない景色って、日本では稀有だと思います。
    でもSNSなどで評判が広がりすぎ、傍若無人な観光客にも悩まされているというテレビ番組があったと話していた人がいました。住んでいる人にとってみれば、勝手に家の中に入ってくる人がいるなんて生活、送りたくないですよね。
    カメラ? レンズが2つしかなくて芸のないスマホです(笑)。保存も手間いらずなので、最近はカメラは使っていません。

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  3. もう30年以上前になりますが、筑波大の学部の卒論に伊根の舟屋をテーマにした女子学生がいました。舟屋に泊まり込みで調査したものです。建築学会の賞も受賞しています。
    今程注目されていなかった当時に、卒論のテーマにした目のつけどころが素晴らしいなと感心した記憶があります。

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  4. reiさん
    そんな方がいらっしゃったのですね。故郷とかではなく伊根を知ったとすると、すごいです。湾になっていて波が静かだからつくることができたと言え、舟屋は奇跡のようです。
    祖母の実家が漁師町だったこともあり、幼いころから瀬戸内の漁師町は身近でしたが、一般的な船着き場があって、各戸は海に面して間口が狭く奥行きの長い家で、細い路地が張り巡らされているもの、舟屋は見たことがありませんでした。
    素敵な場所だけに、安っぽくカフェやホテルばかりにならず、町並み博物館として生き残って欲しいです。

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