骨董市で、まことさんの店に鎌があり、手に取ってみるとラベルにカシミールとありました。
さて、カシミールはパキスタンだったか、インドだったか?
この数年、骨董市には行ってないのに珍しく一緒に行っていた夫に訊くと、
「国境線がはっきりしなくて、どちらの領土かを争っているところだよ」
とのことでした。
カシミールは山岳地帯ですから、これは稲ではなく麦を刈る鎌でしょうか。ぎざぎざの刃になっています。
刃と柄に突き刺した部分の間が曲げてあるのが気になります。硬い鉄なので使っているうちに曲がってしまったとは考えにくい。ではなぜここを曲げてあるのか、理由があるのかもしれませんが、まったくわかりません。
どの地域の鎌も、鎌は鎌。似ているといえば似た形をしていますが、地域によって用途によって特徴があります。
左はカシミールの鎌、あとの5本はタイの鎌です。
タイの鎌の左から、山岳地方の少数民族が陸稲(おかぼ)を刈る鎌、真ん中の2つはちょっと古い稲刈り鎌、丸っこいのは少数民族がアヘンを採るためにケシに傷をつける鎌、刃の上で採った汁液を練るので刃が幅広になっています。
そして右端は1980年代に、タイのどこの市場でも売られていた、どの農家にもあったありふれた稲刈り鎌、柄まで鉄でできています。
左からカンボジアの鎌、エチオピアの鎌、バングラデシュの鎌、そして穂刈りの鎌は小さいものがインドネシア、十字形の鎌はフィリピンのものです。
エチオピアの鎌以外は稲刈り鎌です。
鎌そっくりのこれらは、カーブの内側ではなく外側が刃になっています。
左のバングラデシュの草抜きはともかく、エチオピアの大きな鉄くぎを打ってつくったものは小さいのでどんな場面で使ったのか、用途不明です。
と、ここでもしやとひらめいて、割礼用の刃物を見てみました。
「やっぱり!」
外側が刃になっていました。釘でつくった鎌状の刃物も、割礼用かもしれません。
アメリカで次男を出産した時、医師に「割礼をするかどうか」訊かれて、割礼と言う英単語を覚えました。そして、初めて割礼が思ったより広く行われていることも知りました。
0 件のコメント:
コメントを投稿