2024年6月14日金曜日

玉虫色の布


古い友人のFさんが遊びに来て、お土産にカンボジアの絹地をいただきました。
フン・セン氏の跡を継いで、昨年の8月にカンボジアの首相になったフン・セン氏の長男のフン・マネット氏から直接いただいたものだそうです。FさんはNGOのスタッフを経て、国会議員(立憲民主党)もやられた方です。


布は緋色の経糸(たていと)とターコイズブルーの緯糸(よこいと)で綾織りに織られていて、順光で見ると裏(左)は黒っぽく見えますが、


逆光で見ると(右)青く見えます。
床に置くと表地は赤く見えていますが、身にまとって複雑に布が曲がると、光が屈折した面にあたるので、まず赤一色に見えることはありません。


長椅子に置いてみるとこんな感じ、いわゆる玉虫色というものです。
布地は4ヤードあり、上下揃ったカンボジアの礼装服をつくるのに十分なのですが、背中を圧迫骨折して体形が変わり、お腹がぷっくり出てしまった身としては、とてもぴったりした礼服をつくる気にはなれません。また、礼装しなければならない場面もほとんどありません。よって、この布をどうしたものか、しばらく考えることにします。

フン・マネット氏は、長く米英で学んだ方ですが、就任早々に親中国を表明されています。38年に及んだフン・セン体制後の世襲。フン・セン時代、独裁体制への批判勢力への弾圧も厳しかったのですが、フン・マネット氏は温和な性格の持ち主とも聞いています。カンボジアの人々にとって平穏でよい世が訪れることを、願うばかりです。




 

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