2024年8月20日火曜日

マタタビの笊


骨董市で、マタタビで編んだ笊を見かけました。
直径21.5センチ、深さがないので蕎麦笊としては小さすぎますが、
「えっ、こんな笊に出逢うなんて!」
とびっくりしました。我が家にある「美しすぎる」マタタビの蕎麦笊と、つくり方が同じですが、縁巻きの編み目がそろってない、正円ではないなど、つんとすましてない愛嬌があります。
値段を訊いたら300円でした。


右はその、美しすぎる蕎麦笊です。
よく見ると、右の笊は表皮をそのまま見せているので、太いマタタビの蔓を薄くはいでひごをつくったもの、左の笊は細い蔓を割ってひごをつくったものと思われます。左の笊のひごは、表皮が両脇にかすかに残っているものもありますが、ほとんどのひごは皮がありません。おそらく、細い蔓なので、表皮を残すとひごの厚みが厚くなりすぎるので削り取ったものでしょう。


表皮のついていないひごを薄くすると強度が落ちるのか、左の笊のひごは右の笊のひごより厚みがあるようです。ひごの薄い右の笊は、ひごとひごがよくなじんで凹凸が少なく仕上がっていることが、陰影のつき方の違いからわかります。


中心(底)を四角く網代に編んだひごが、そのまま経材(たてざい)として縁まで続きますが、左の笊の場合、底を四角く編んだひごは14+14本で28本、それに比べると右の笊は、22+22本=44本と、直径がそう違わないのに圧倒的に多いので、縁で経材が密になり、結果美しく仕上がっています。

長野の根まがり竹

中心(底)を網代で四角く編んでそれを経材とし、緯材(よこざい)で風車のように編み上げていく技法は、福島県奥会津のマタタビ細工だけでなく、長野県や関東各地に見られ、材料もマタタビだけでなく根まがり竹や、真竹らしいものも使われています。

おそらく茨城の籠、真竹

形によっては、途中まで風車のように編んだ後、途中から平編みで編み上げたもの、

福島県三島のマタタビの籠

早い段階から平編みにして編み上げたものなどあります。

蕎麦笊としては小さすぎるので何を入れようか、チョコレートを盛ったりするのもいいかもしれません。





 

4 件のコメント:

  1. 以前に春さんが紹介して下さった美し過ぎる蕎麦笊をジパングモダンに入荷したら連絡のお願いをしておいたのですが、先日のすっかり忘れていた頃に入荷連絡が入りました。即サイトを見ましたが、既にsold out でした。手に入れるのは無理そうです。

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  2. 匿名さん
    今見たらまだありましたよ! サイトを見たのが早すぎたってことはなかったですかね。もう一度見てください!

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  3. 注文できました!ありがとうございます。到着が楽しみです。春さんのブログにより、この蕎麦笊がいかに美しく編み上げてあるかが分かります。

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  4. reiさん
    よかったですね(^^♪
    何度洗っても、振って水を切り、風さえ通しておけば、いつまでもきれいです。そして、少しずつ色が深くなってきます。

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