起源は、約4000年前のエジプトでつくられたコプト織りとされ、エジプトの王の墓などから綴れ織りの着衣などが発見されています。織り方はエジプトから東西に広がりました。
日本には飛鳥時代にシルクロードを経て大陸から伝えられ、江戸時代に京都でその技術が高められました。西欧では羊毛で織られている綴れが、東洋ではより細い絹糸が使われたので、より細かい模様をつくることが可能だったのです。
ところで、日本ではほとんど知られていませんが、現代エジプト(といっても私が知ったのは20代のころだから半世紀も前で、今ではどうなっているか知りませんが)で、おもに子どもたちによって、コプトの流れをくんだ、素敵な綴れ織りが織られています(した?)。
解像度は低いのが残念だけど、なんと魅力的な! |
私がエジプトの現代の子どもたちの綴れ織りを知ったのは、確かアメリカの美術館での展示ではなかったか、絵葉書もいろいろ持っていたのですが、残念ながら1枚も残っていません。
さて、写真はスウェーデンの綴れ織り、フレミッシュです。フレミッシュは、縦向きではなく横向きに織るのが特徴です。
両側に見えている房は緯糸ではなく経糸、模様を横にした状態で織り進みます。
なぜ、横を向けて織るのか、その方が表現したいものを表現しやすかったのか、あるいは横長な仕上がりの布が必要だったのか、そのあたりは全然知りません。
こうやって横にしてみると、やっとどう織ってあるかが腑に落ちます。
こちらはトルコのキリム、このくらいの規則的な模様だと頭に入っていて下絵なしでも織れると思うのですが、フレミッシュは複雑なうえ横向きですから、下絵なしではとても織れそうにありません。
アメリカ先住民、ナバホの織物も綴れ織りでつくられています。
我が家にも、夫の両親の家にあったアメリカ先住民の小さな敷物が一つあり、お土産ものとして織られたものだとは思いますが、糸も意匠も仕上がりも素敵です。
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