2024年11月13日水曜日

夫の奮闘


夫の設計したF邸の工事が、9月に着工しました。


工事は順調に進んでいて、いよいよ今日、明日で棟上げの運びとなっています。
我が家を棟上げするときに手伝ってくれた大工さんのOさんが病気になってしまったのは、大きな痛手でした。今では、大工さんと言えど、ハウスメーカーで働き、タッカーでパチンパチン留めつけることしかできない単純労働者がほとんどで、木工事のできる大工さんを見つけるのは一仕事でした。
幸い友人のつてで、2人の大工さんに働いていただくことになりましたが、2人とも棟梁の経験がないので夫が采配を振るわなくてはならなくて仕事が増えてしまい、ホームセンター、材木屋さんと走り回っています。

さて、建設作業にはゴミがたくさん出ます。
コンクリート工事屋さんが工事していたとき、
「ゴミはどうしましょうか?」
と訊かれた夫、
「あぁ、おれが片づけるよ」
とあっさり引き受けて持ち帰り、クリーンセンターに持って行ったものの、産業ゴミで引き受けてはもらえませんでした。これでゴミを引き受けるのは懲りたかと思ったのに、一向に懲りない様子、どんどん引き受けてきて、


我が家には、ゴミがどんどんたまりつつあります。どうするの?
また、自力建設の経験がありすぎて、夫は面倒な仕事に直面すると、コンクリート工事屋さんに頼むのは面倒とばかり、作業着を着て出かけ、自分でやってしまっています。建設現場に行くのは平均で1日3回ほどですが、昨日など6回も行きました。近くでよかった! 
これが、千葉県のあたりの現場だったら、いったいどうなったのでしょう。一時、千葉の話がありました。ご両親やきょうだいと暮らしていた大きな家をリフォームしてコンパクトに住みたいというものでしたが、ものが多すぎて手のつけられない感じでした(他人のことは言えないけれど)。実現していたら、毎日のようにトンネルの長い高速道路を運転して行ったのでしょうか?


夫の設計ですから、壁構造ではなく、伝統的な軸組み構造です。
西洋文化が入って来てから職業として生まれた「建築家」は、伝統技術を顧みず、中途半端に西洋を見習ってここまでやってきました。耐震基準法にかなう家は、筋交いをたくさん入れてそれを壁の中に隠してしまう家とされてきましたが、やっと数年前から「貫(ぬき)」などの伝統工法が認められました。簡単に言えば、揺れに抗って耐える方法と、揺れを吸収して逃がしてしまう方法です。
先日は木でつくられた人工衛星が打ち上げられたと報道されていました。釘を一切使わないで組み立てた箱で、宇宙に放り出されました。
そんなご時世ですが、まだまだ建築家の中には金物を使って、こてこてに固めないと安心できない人がたくさんいます。
それは、津波を防ぐのに高い防潮堤をつくるのと似ていると思います。せっかく海のそばに住みながら、海は見えない、感じることもできない生活を強要されても、ありがたいと思う心です。その防潮堤を津波が超えることがあれば、疑問を感じるのではなく、さらに高くすることを発想します。あくまでも先端技術で何事も処理できると信じて行う行為は、海とともに生きるという豊かな生活を奪ってしまうだけでなく、津波を察知する、津波のときはどう行動すると言った能力をなくさせてしまいます。
もっと木を信じる家がたくさん建てられたら、日本も少しは美しくなるのにと思います。






 

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