もともと、空きビンが好き、エンボスのあるビンが好きということで集め始めた家庭染料のビンですが、高じて販売促進のケースや染色標本など、ビン以外のものにも手を出してしまっています。
これは、缶入りのミヤコ友禅染料です。
友禅染料とは何でしょう?
濃い色の地にも淡い色を重ねることが出来る、つまり絵の具に例えれば不透明絵の具のような染料です。
これは「白茶」の缶、ということは淡い色ですが、濃い色の布に模様を染めることが出来たのでしょう。
染色標本に、濃い色の布に染め型を置いて、その上に薄い色で模様を描いている布標本がありました。
おそらく、古い着物をまず濃い色一色に染めておいて(前の模様をすっかり消して)、その上に薄い色で型染めする需要が大きかったのだと思われますが、みんなそんなにうまく染められたのでしょうか?
箱の横には「赤缶(かねへんに草冠に口を2つ、下にふるとり)」と「抜染用」と記してあります。「缶」の古い字体は「罐」ですが、これはかねへんの「缶」になっています。
未使用ですが蓋は錆びついて開きません。
未使用ですが蓋は錆びついて開きません。
染色標本の表紙に描かれている缶と、この缶は同じです。
表紙絵を見ると、「赤罐」のほかに「青罐」もあったようですが、どんな染料が入っていたかは不明です。ただ、「友禅染料」という名がついているくらいだから、「抜染用」ではなく、「手描用」だったのかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿