ビルマの弁当箱です。
ビルマには、籠を編んだものに漆を塗る
籃胎が圧倒的に多いのですが、これは、木を轆轤で引いたものに漆を塗っています。
弁当箱は五つの部分にわかれます。蓋の部分は、左の赤い皿から順番に納まっています。
本体にはご飯を入れ、赤い皿におかずを入れて運び、食べるときは二人で食べたのでしょうか?
全部ひっくり返してみると、二人分の食器に見えます。
1981年にビルマを訪れたときには、街角や民家の庭先に素焼きの壷に入った水が置いてあり、道行く人は誰でも飲めるようになっていました。ラングーンなど、都会の飲料水は、ろ過装置もついた素焼きの容器に入れられて、複数並べてありました。公共水飲み場といった感じで。
この弁当箱の持ち主は、出先で、そんな水を飲んだのでしょうか?それとも、ビルマはお茶文化の国ですから、お茶を飲んだのでしょうか。
タイにも、気化熱を利用して冷やす、素焼きの水飲みの壷はあります。しかし、それを庭先において、道を行く不特定多数の人が飲めるようにしてあるのは、村の中などごくわずかで、たいていは、家の人だけ飲めるように、高床のテラスなどに置いてありました。
ですから、ビルマ人の優しさ、どこでも水が飲める合理性に驚いたものです。
不特定多数の人が水を飲んで、不衛生ではないかって?
いえいえ、彼らはこのように自分の容器を持っていって飲むか、あるいは備えつけた容器には口をつけないで、上手に飲むのです。
インドの長距離バスに乗ると、運転席近くにやかんに入れた飲料水が置いてあります。でこぼこ道を走っていて、バスが揺れていても、乗客はやかんを高くかかげて、もちろん口からは離して、一滴の水をこぼさないように上手に飲んでいました。
お見事。
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