2011年9月12日月曜日
木工の箱
日曜日の11日、夫は朝から机に向かって、肉体労働ならぬ、締切のあるデスクワークに没頭です。
しかし、お昼すぎにはそれもやっと一段落して、益子に出かけました。
というのは、お隣りのK&Jさん(yasato910)が、益子のもえぎで展示会を開いているからです。
K&Jさんは、我が家のわりと近くで、不耕起という同じ方法の米づくりをしています。その田んぼを見ていたので、我が家の米づくりの一年目だったか、苗が足りなくなった年に、もし余っていたらいただこうと、田植えをめがけて田んぼを訪ねて、声を掛けたのが知り合うきっかけでした。
当時、K&Jさんは遠く笠間に住んでいて、田んぼの近くに住むところをさがしていました。しかし、八郷に、なかなか土地が見つかりませんでした。
「家の近くに貸してくれそうな土地があるけど」
と紹介したところを、幸いにも借りられることになり、お隣さんになりました。
篠竹や雑木が生え放題の荒れた土地でしたが、開拓し、彼女たちも自分たちだけで家を建てました。
K&Jさんは、二人で木工をして、Jさんが漆を塗ります。
八年ほどのつき合いになりましょうか、意匠的にも技術的にも、二人ともずいぶん腕を上げてきました。
この小さな箱は、
裁縫箱です。
中は、くり抜いてあって、裁縫道具が詰まっています。
握り鋏の革のカバーも、ちりめんの針山も、そして小さな木の糸巻きも手づくりです。
全部込みこみで3,900円、ここいらのばあちゃんが半日の賃仕事に行ったほどの値段で売っていました。
こんなプレゼントをもらったら、誰でも嬉しくなりそうです。
夫は、かわいい砂糖壺に釘づけでした。
「砂糖壺って使わなくなったねぇ」
「でも、テーブルに出しときゃ使うよ」
「そうかなぁ」
最近は、コーヒー、紅茶に砂糖を所望する人は、ほとんどいません。私も夫も使いませんが、コーヒーを飲みながら、小さなブラウンの角砂糖を食べるのは大好きです。
結局、砂糖壺は見送って、やはりプレゼント用のそら豆のようなくり抜きの蓋物を買いました。お弁当箱にもなる大きさのものでした。
「それにしても木工の労賃て、安くないか?」
と夫。
でも、K&Jさんを含めて、ものづくりにたずさわるみんなは、学歴も、都会での楽な給料取りの仕事も捨てて、田舎での生活を選びとっているのですから、日々の暮らしに追われながらも、楽しく暮らしていること、請け合いです。
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