安っぽい、実際とても安い籠です。
タイの籠ですが、タイ、ラオス、カンボジアなどの市場や金物屋の店先には、まず置いてあります。どんな田舎に行っても見つけられるほど普及しているものです。
行っていませんが、もしかしたら最近ではビルマの市場にもあるかもしれません。
このアルミの安っぽい壺のようなもの、蒸し籠を見かける店では、たいていこれも売っています。
実は、上の籠と下の壺のようなお鍋はセットなのです。
上を絞った形のお鍋に水を入れ、水に浸しておいたもち米を入れた籠をその上に乗せ、あり合わせの蓋をして蒸します。
この
籠とお鍋のセットが、もち米を主食とする東北タイ、北タイ、そこに住む山地民の人たち、ラオスなどだけでなく、もっと幅広く使われているのは、もち米を主食とはしない人々も、もち米を使って、いろいろなお菓子をつくるからです。
竹籠はともかくとして、アルミのお鍋がなかったときは、どんなものを使っていたのでしょう?
答えはままごと道具の中に見ることができます。
普通の土鍋に、穴を開けた土鍋を重ねて使っていたようでした。
円筒形の、硬くつくられた蒸し籠もありますが、この耳つきの柔らかい籠の耳は、 伊達についているのではないのです。蒸している途中で、耳を持って持ち上げ、パッパッと振ると、下の水分を多く含んだもち米と、上の渇き気味のもち米が、うまく上下に入れ替わるのです。
北タイでは、蒸しあがったご飯を木をくり抜いた飯台にとり、手で軽く押し揉みしてから、もち米入れの籠に移します。
お餅をつくのとは違いますが、ちょっとだけ 粘りけが出るようです。
この飯台は東北タイでは見たことがないので、北タイ固有の文化でしょうか。
東北タイやラオスでは、丸く平たく編んだ籠(笊)を使います。
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