2012年8月20日月曜日

一金印除蟲粉


骨董市でさわださんが、空き缶を大小いっぱい持っていました。
なかで、一番目を引いたのが、この缶です。よく見ると、「除蟲粉」と書いてあります。除蟲粉って何?
「いいでしょう?」
と、さわださん。
「粉がまだ残っているかしら?開けてみていい?」
さわださんが開けてくれたら、黒い煙のようなものがかすかに立ち昇りました。
しかし、さわださんが地面にトントンと叩きつけても、何も出てきません。
「空っぽだよ」
「ふぅん」

いつものように、さわださんの犬のミルキーと遊んでいる間に、さわださんの姿が見えなくなってしまいました。
ミルキーは三歳のとき重い椎間板ヘルニアにかかり、下半身麻痺してしまいました。それ以後さわださんが、仕事にミルキーを連れて歩くようになったのです。ミルキーは自分では歩けないので退屈していて、声をかけるとすごく喜びます。

犬の、重い椎間板ヘルニアは、一刻も早く手術するしかないのですが、飼い主の発見が早くても、手術できる獣医さん(難しい手術なので、めったにできる獣医さんがいない)を探さなくてはならないし、関東では東京にしかないMRIセンターに、獣医さんの紹介状をもらってMRIを撮りに行かなくてはならないし、獣医さんにもMRIセンターにも定休日があるので、うかうかしていなくても、悪条件が重なれば手遅れになってしまう場合が多いのです。さわださんも、ミルキーの発病で一ヶ月も仕事を休みました。

ミルキーと遊んでいたら、さわださんが缶を洗って戻ってきました。
せっかく洗ってくれたし、値段も500円なので、除蟲粉の缶をいただいてきました。


家で、念のためもう一度洗って、缶に書かれている説明書を読んでびっくり。これは除虫菊の花約千個を粉にした除蟲粉で、自然にも人間や動物にも害がなく、畳の隙間などに撒いておくと、ダニなどを駆除できるというものでした。
なぁんだ、そんなに恐れることはなかったのでした。

最近買った、ハーブでできた虫よけと同じようなものでしょうか。


化学物質が嫌いで、これまで虫よけは使ったことはありませんでした。あるとき、訪問者が持っていた「お肌のナチュラルガード」は、生協で買ったとのこと、化学化合物不使用の虫よけだというので、さっそくさがして買いました。

月桃の葉、シトロネラ精油、レモンユーカリ精油、レモングラス精油などをブレンドしていて、とてもいい香りがします。
化学物質はいったん拡散すると、二度とそのすべてを回収することができません。地球を汚し続けます。それに比べると、化学物質(この場合はディート)不使用なら、安心して使えます。


さて、除虫菊の粉は和歌山県簑島町でつくられていたようですが、それを欧米にも輸出していたのは、東京の一金という会社です。

きっと花を摘むのも、乾燥させて粉にするのも、手作業に寄っていたのでしょう。今でもこんな除蟲粉があるといいなぁ。

6 件のコメント:

  1.  もしかしたら戦前我が家で使用した蚊取り粉のような気がします。
    20cmほどの灰の箱もちろん内側は銅版です。
    くねくねした型押しで灰をちょっと押します。それにそって蚊取り粉をくねくね入れ火を点ければ一晩OKです。
     まだ渦巻き線香があまり普及していませんから、、、。
    図を描くとわかるのですがね。

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  2. 昭ちゃん
    そうなんだ!
    「蚊蝿など總て飛虫には火に薫煙して最も卓効あり」と書いてあります。絵がなくても、十分想像できました。くねくねした型って、長さを稼いでいるのですね。
    除蟲粉は、稲作や果樹の消毒には水で溶いて、家畜の蚤羽虫などには毛のあいだに摺り込んでやればよかったんですって。万能です。
    渦巻きの蚊取り線香も、和歌山県の箕島の人が考案したようですよ。

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  3.  正解でしたね。
    子供は抵抗力がないのでよく腫れましたが今のように何でも無菌無菌の方が怖いです。

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  4. 昭ちゃん
    新薬の開発は、進歩ではなくただの変化だといっている人がいます。なにごとも功もあれば罪も生まれますからね。
    ただ、化学物質にどんな罪(ざい)が潜んでいるのか。できるだけ使わずに暮らすことを心がけていますが、全部排するのは難しいですね。子どもたちには、小学生のころインフルエンザの予防注射は一度も受けさせないで来ましたが、問題がなかったようです(笑)。

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  5. 私は今もこのメーカーの渦巻香を使っていますよ。
    明治の18年に、山彦製粉工場
    大正8年には大正除虫菊(株)
    現在はライオンケミカル(株)と社名が変わっておりますが。
    価格も、他社に比べて大変リーズナブルです。

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  6. 匿名さん
    情報ありがとうございます。
    我が家には藪蚊しかいなくて、それも8月になって減りましたが、外仕事をするとき、腰にぶら下げます。
    金鳥も使うことがありますが、「菊花せんこう」(中国産の除虫菊使用)というのも使っています。でも説明書を読むと、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシに効いて、「※蚊取線香ではありません」と明記してあるので(笑)、効果のほどはどうでしょうか。

    ライオンケミカルはケミカルになっても天然除虫菊蚊取線香もつくっているのですね。今度の夏には探してみます。

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