あまり開けない引き出しの中に、大きなハマグリがあります。
覚えていないほど昔からある、貝合わせを模したハマグリです。
もしかしたら、このなかに落雁のようなお菓子がはいっていたものだったでしょうか。
たかがお菓子の容器ですから、プリントしたものに違いないのですが、いったいどうやってプリントしたのでしょう?
写し絵のようなものだと、どこかにシワができそうですが、シワもなく、平面でないところに、隅々まで、破たんなく描かれています。
もっとも、私は稚拙でも手書きの絵の方が好きですから、早く捨ててしまえばよかったのですが、こう長く持っていると、捨て時はとっくに失っています。
画像なのでわかりませんが転写紙ではないですか?これくらいの曲面ならば、空気抜きをしながら転写紙でも綺麗に貼れますが。もしくは、図柄の(人がいるところ)部分だけが転写で、金雲の部分は後から金色を上乗せて挿しているとか。
返信削除印刷技術も、最近のものは全て機会まかせでつまらないものが多いですが、少し前までは、ぼかし部分に「星」といって点描画をもっともっと小さくした点を細く砥いだ丸ペンや歯科医が使う道具を使って描きました。
そうした技術を持った人は昭和50年代で消滅しているため継続者はおらず、最近作られた陶器などの転写には綺麗なかっちりした星打ちの印刷版は見られなくなりました。
昔、ちょっとだけこんな仕事もやってみてたので印刷された陶器にはいつも目を凝らして見ています。確かに、あまり好きではないものでも永らく傍に置いていると捨てがたいものですね(笑)
hattoさん
返信削除ありがとうございます。そうですね。お茶わんなんかも曲面だし、同じ技術ですね。
ハマグリはいただいたものだったと思いますが、最初から、どうやって色を乗せたのだろうと不思議に思っていました。
印刷した陶磁器は、古い印判を除いて、家には一つもないので(笑)、「星打ち」を調べてみるわけにいきませんが、昔有田かどこかで写し絵のようなので模様つけをしているのを見たことはあります。
このハマグリ、壊れたら捨てられますが、そうじゃなきゃ、いつまでもありそうです。それが、丈夫で、丈夫で...(笑)。
hattoさん
返信削除プリントのお皿ありました。で、ぼかしのような針の先ほどの点々がありましたが、どのお皿も同じ点の配置で、それごと転写されていました。手で補正したりしなくてもいいように今は元の絵が進んでいるんでしょうね。
おおー!春さんありましたか。なんでも出てきますね春さんちは。そのお皿は、今後はもう作られないですよ、もっとも(←春さんのくちぐせ、まねしたよ)転写紙が残っていれば話は別ですが。特にノリタケ、大倉陶園、鳴海などにはとても繊細な仕事の物が見られます。
返信削除そういえば、春さんの家、建築会での住宅分野で今年度最、最優秀賞取られてますか?!
学会のサイトに掲載があったと思いましたが。
hattoさん
返信削除大まかな線を転写した後、お皿ごとにポチポチするんじゃないんですね?
家にあったのはフィンランドのアラビア製のお皿ですが、古いのは1980年代の地震で割れてしまい、今のは復刻版です。
あははばれました?そうです。今発売されている『住む』にも載っています。
春さん、お皿に直接ポチポチじゃぁないです。
返信削除まずデザイン画を見て、色を分解させます。
例えば、黄緑色の葉っぱならば、黄色を40%、青を60%と。そして、その2色を薄い擦りガラスをフィルムにしたようなものに、磨った墨でポチポチと描きます。フィルムは、透明の板にテープで貼り付け、トンボを引きます。トンボで2色をきっちり合わせて黄緑色になるように印刷用のいわゆる「版」を完成させます。こういった技術の前には、銅版や石版でやっていたので、年配の指導者はそちらのほうが綺麗な線がでるといい、社内にある古く重い輪転機を使い作業をしてましたよ。
家、やはり春さんのお宅でしたか!環境に考慮したデザインや設計はもちろんのこと、やはり夫婦での二人三脚という点が誰にでも成し得る事ではないですよね。それにしても御主人のバイタリティーは素晴らしいです!私も見習って生きなければと感じます。近くならば、実物を見せていただけるのに。八郷まではちょっと遠いですね、、、。
hattoさん
返信削除基本的に転写がどんなものかわかっていないので、失礼しました。といいつつ、まだよくわかっていないです(笑)。でも祖母がハイカラでノリタケとか香蘭社なんて使っていたので、光っているようなぼかしとか、なんとなく想像つきます。
昔は、どこにでも、素敵な職人さんがいましたね。最近では建設現場でも釘打ち機の音がするばかり。腕の見せどころもないし、腕を見せたい人も減ってしまいました。