2014年9月14日日曜日

重箱

先日、母を訪ねるのに、好物の栗おこわをつくりました。


最初、岡山駅で売っている駅弁「まつりずし」の空き箱に入れるつもりでしたが、これだけでは、入りきりません。
待てよ、なにも使い捨て容器でなくてもいいではないかと、重箱を引っ張り出しました。


重箱はずいぶん昔に買ったものです。
息子たちが小さかった頃は、運動会にお弁当を詰めて持って行ったりとよく使いましたが、正月のおせち料理もつくらなくなってから久しく、本当にしばらくぶりに見ました。


  ケヤキでできていて、外側は透き漆、内側は朱色、よく使いましたがどこも傷んでいません。 重箱を買ったとき、気に入るのが見つかるまで、ずいぶん時間をかけ、たくさん見て歩いたことは覚えているのですが、どこで買ったか、どこでつくられたものなのかは、全然覚えていません。


私が子どもの頃、重箱はどこの家にも、一つや二つあるものでした。
祖母は、ばらずしやお赤飯をつくるときは大きな飯台いっぱいにつくり、重箱に詰めて、私をおすそ分けに行かせました。ぎゅうぎゅうに詰まったばらずしやお赤飯の上には、何故か南天の葉を一枚乗せていました。
ばらずしやお赤飯を届けると、たいていは重箱の中にマッチを数本お返しに入れてくれるだけですが、中にはお菓子をくれる家もありました。
そんなとき、帰りの道は疲れ知らずでした。


今、いつも、どこでも使い捨て容器で、重箱の出番はありません。
化石燃料である石油の利用で、人の生活は大きく変わってしまったものです。





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