2014年11月13日木曜日

柳の籠


ラトビアの籠です。
柳の枝の皮をはぎ、さらに割いてつくった、直径8センチほどの小さな籠です。

『世界のかご文化図鑑』より
柳は世界で約350種類あります。枝はしなやかで籠づくりに適しているので、古くからいろいろな地域で籠に加工されてきました。
生長した木を地面近くで切り落とすと、春にたくさんの若枝が出て、秋には2メートルにもなります。 それを切り取って加工するのです。
皮つきの枝をそのまま利用して編んだり、冬の間水に浸しておいた後に皮をはいだり、さらにそれを割いたりと、いろいろな使い方をしますが、それぞれでき上がりの表情が違います。


柳の籠がつくられているのは、ヨーロッパが主ですが、日本にもあります。
柳行李です。
かつては、柳行李は旅行や引っ越しの必需品で、収納にも使っていました。
我が家にも、母が身辺整理したときにもらった柳行李や篠竹行李が、大小合わせて六個もあり、うち二つは、着物が引っ掛かったりしないようにと、外も中も麻布(ドンゴロス)ですっぽり覆ってあります。
 

この籠は、十年ほど前に骨董市で買ったものです。
骨董屋さんの中には、和物と言った方が価値があると思っている人もいるようで、 この籠を持っていた骨董屋さんも、
「一つは、.....日本のものかな..」
と口を濁していましたが、たぶん二つとも中国のものです。

縁をラタンで巻いたものと、


外と中の両側からへぎ板をあてて、押さえてから柳を切りそろえたものがあります。
収穫籠だったのかもしれません。


柳は、枝をまるまる使うと、柳行李のような、とても堅牢な籠ができます。
また、割いた籠の美しさもなかなかのものです。

 
特に、ヨーロッパの籠の特徴である、持ち手をつけるために四角く編んだゴッズ・アイ(神の目)は、素敵なアクセントになっています。





2 件のコメント:

  1. ヨーロッパの籠の特徴だったのですね。セカンドショップで買った小さな籠があります。特徴的な四角い部分を見るたびに気になってしかたなかったのですが、これですっきりしました(笑)

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  2. Bluemoonさん
    つくり手にとって、持ち手をつけるなど、異質なものを組み合わせるのは、もっとも気を使うところでしょう。それを逆手にとって美しく装飾するのは、世界のいろいろなところで行われてきたことだし、そこをうまく処理してこその手仕事でしょうね。
    この籠は小さいのですが、大きくて重いものを入れるとなると、持ち手が抜けないようにしなくてはならない、その工夫がゴッズアイにつながったのでしょう。ただ、持ち手が太い柳とか、細い枝を編んで丸くしたとか、断面が丸いものに限ってこの方法が使われるようで、平らな持ち手だと別の方法が使われます。

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