2015年2月11日水曜日

職業

その昔、友人の息子のたかしくんが、大きくなったら吟遊詩人になりたいと言っているのを知ってびっくりしたことがありました。当時彼は、小学校六年生くらいでした。
私にとって、吟遊詩人とは、物語に出てくる、いわば呪術師、魔女、騎士などと同列のものでした。そんなものになりたい小学生がいる?当時、たかしくんはバンコクで暮していたとはいえ、どこからそんな思いが湧いてきたのか、不思議でした。
たかしくんはその後、音楽大学に行き、今は音楽に関係した仕事をしています。どんな仕事か忘れてしまいましたが、初志貫徹に近い、当たらずとも遠からじの仕事をしています。


ここ八郷に来てから、馬の蹄鉄をつくったり直したりするのを職業にしている人に会いました。
競馬があり、馬もいるのだから、馬の蹄鉄をつくる人がいてもあたりまえかもしれませんが、騎手の一家に会ったときより驚きました。
この同一指向型の社会で、蹄鉄屋を目指すという、その最初の考えは、どこから彼にやって来たのでしょう。


仕事をしていた頃、初対面で名刺をいただくと、裏に、元○○新聞記者、元××大学教授、元△△委員などなど、昔の職業をいくつも、隙間もないほど並べたてている男性がいました。しかも、一人や二人ではありませんでした。
「やれやれ、男なんて.....」
「元」なんて、入れないで欲しい。名刺を見ただけで、もの悲しくなったものです。

さて、私の今の職業は、自宅限定大工です。






2 件のコメント:

  1.  一昔前まで鍛冶屋さんがありましたね、
    焼きの入れ方って鮮やかでお蔭で化石用タガネに役にたちました。
    油でも上がりますが、、、、
     おります、おります。
    いつまで引きずっているのかなー

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  2. 昭ちゃん
    そうですね。鍛冶屋さんと考えればいいんだ。ただ蹄鉄屋って聞いたらびっくりしてしまって(笑)、鋳掛屋さんやラオ屋さんと同じように、そんな職業消えてしまったと思いました。でも、昔は鍛冶屋が、鎌でも蹄鉄でも何でもやったんですよね。そういえば、友人が菜切り包丁を大きく欠いてしまったのを、鍛冶屋さんにきれいに直してもらったと言っていました。
    肩書きを引きずっている人は、きっと裸の自分が直視できない人でしょう。生まれた時はみんな裸だったのにね。

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