「ネタがない時の招き猫頼み」
と猫棚を見ていたら、ちょっとしもぶくれの九谷顔をした猫がいました。
底を見ると、「九谷」の刻印があります。
なんてこと!
先日は、「我が家には九谷の猫は一匹もいない」と、
豪語してしまい、お恥ずかしいことです。
この彩色していない小さな九谷の猫が、いつから、どのような経路で我が家に生息しているのか、まったく覚えていません。
鋳型はきっちりつくられていて、細部まで事細かに表現されています。
これに、大きいものになるとレリーフを施したり、何色もの釉薬を使い、融点の違う金彩もして、何度も焼くのですから、ちょっとお値段が高めなのも仕方ないのかもしれません。
以前住んでいたつくばに、店じゅうに見事な九谷焼を飾っているメガネ屋さんがありました。
そう古いものではなく、新しいものだったかもしれませんが、素晴らしいお皿や鉢でした。大きな一尺ほどの招き猫も二体あって、手の込んだ絵つけがされていました。
当時、私は招き猫について全く知識がなく、九谷の招き猫を見たのもそれが最初でしたが、素人目にも、高価で手が届きそうにない招き猫でした。
1988年ごろだったか、それまで一度も大きな地震がなかった茨城県に、比較的大きな地震が発生し、我が家でも、上の方に置いていた祖母の家に伝わる古いお皿など、かなりのものが割れたり壊れたりしました。
地震の後、メガネ屋さんに行くと、何も飾られていませんでした。
九谷焼は、お客さんが手を触れたりしないよう、ガラスケースの上の高いところに多く飾られていたので、きっと全部割れてしまったのでしょう。
なんともお気の毒で、被害がどんなだったかたずねるのもはばかられました。
招き猫を集めるようになって、九谷の猫もよく目にしますが、メガネ屋さんの招き猫ほど立派なものを、見たことはありません。
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