2015年9月13日日曜日

日本の織物

以前アンギンの布を送ってくださったH.Kさんから手紙が届きました。八月のことです。手紙の中に入っていたのは、岩手県雫石の亀甲織りのしおりと、奈良市の小野瑛子さんの織ったコースターでした。


亀甲織りは、麻でできています。
この亀甲織りは一時絶えていましたが、「しずくいし麻の会」のみなさんが、記憶の糸を手繰り合わせて、麻の栽培から糸づくり、そして織りまでと、すべての工程をやっていらっしゃるそうです。


確かに、亀甲模様です。


でも、裏は亀甲には見えません。
硬く糊づけして固め、布の耳を切っしまっていますので、どちらが経糸(たていと)でどちらが緯糸(よこいと)かはっきりしませんが、


たぶん、ねじってある方が経糸、大きな織り機ではなく、片方を自分の身体にくくりつけて経糸を張る、地機(じばた)のようなもので織ったのではないかと思います。
横糸を太い糸、細い糸と交互に使うことによって、片面に亀甲が現れ、片面では亀甲がめだたないのだと思われます。


もう一枚は、二重織りのコースターです。
小野瑛子さんは、80歳になられますが、なら工藝館で織りものを教えるかたわら、奈良に修学旅行に来た子どもたちがお小遣いで買えるようにと、このコースターをつくり続けていらっしゃるのだそうです。
昔は、この技法で帯を織っていたのでしょうか?

経糸が密になっていて、みみにわずかに見えている白い緯糸は、みみ以外では目立ちません。経糸だけが見えるように織ってあります。

逆に、経糸を細く疎に張って、太い緯糸を詰めて織ると、つづれ織りのように、緯糸だけしか見えない織りものができます。


これは、メキシコの少女が帯を織っている(織ろうとしている)写真ですが、これと同じ織り方です。


二重織りですから、色がちょうど反対に出て、藍色の裏には黄色が、黄色の裏は藍色になっています。

それにしてもHご夫妻は機動力があります。伝統的な織物があるところなら、どこにでも出かけてみるのですから。



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