2016年12月20日火曜日

こんな値段で、本当にいいの?


まことさんに、先回逃した土人形を持ってきてもらうことになっていました。
店をのぞいたら、
「ああ、ごめんごめん。先回のお詫びにプレゼントを持って来たから」
と、開口一番大きな張り子犬を取り出しました。
「で、土人形は?」
「それが、どこへ入れたかなぁ。まだ見つからないのよ」


張り子犬よりも何よりも、 土人形が欲しかったのですが、あちこちひっくり返しても、土人形は出てきませんでした。
その日、まことさんは、なんでこんなにたくさん持って来たのといぶかるほど、たくさんのものを持ってきていて、すでに並んでいる籠もいろいろありました。


筌(うけ)、それとも魚籠(びく)でしょうか。小型だけれどしっかり編んであります。
タイのものとお見受けしましたが、ヴェトナムのものだったりして。


蓋部分も、しっかり編んであります。


ココヤシの器。

 
器をつくるときは、通常、中の堅い殻だけを使いますが、これは外皮つきです。
 

外皮の繊維質の部分は、滑らかに磨いてあります。


底を見ると、外皮そのままです。
 

ココヤシを丸まま利用したものとしては、お茶のポットカバーを持っています。
これは、外皮を残すことでお茶を保温するのですが、器だと保温には関係ない、ただの飾りでしょうか?


簡単とはいえラタンで補強もしてあるし、いったいどこの国でつくられたものでしょう?
「まことさん、これらはいくら?」
「どっちも300円」
「えええぇぇ!」
朝2時ごろ起きて、東京から荷物を詰めた車を運転してきて、いちいち出して並べて、全部でたったの600円!
割り切れない気持ちですが、ご厚意に甘えている私がいます。
なにか、仏像のようなものの値段を訊いているお客さんがいて、
「それは2万円」
などと言われていたから、まっ、いいか。

三点をよけておいて、土人形をさがしていたとき、女性連れがきて、犬張り子を手に取りました。
「あら、これ、おいくら?」
「あっ、それは、....売約済みです」
と、私。
「えぇぇ、いいなぁ。そうなの?同じのはないの?」
「これ、欲しいよねぇ」
と、彼女たちは引き下がりません。
「ごめんね。これは取り置きなんだ」
と、まことさん。
それでも未練がましく犬張り子に注目しているお客さんでしたが、600円払って、三つもいただいてきてしまいました。

この日、オーストラリアから来ていたBluemoonさんは、裁縫道具とこぎん刺繍の糸を、息子のあさちゃんは、素敵な浮き彫りのある時計を手に入れました。









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