2016年12月21日水曜日

輸出用ままごと道具


ままごと道具のセットです。
袋がくしゃくしゃだし、重なり合っているので、中がよく見えません。さりとて開いてしまうと、袋の飾りのかわいいひよこ模様の紙の処遇に困ります。
と、デッドストックのおもちゃは、開けてしまうか、そのままにしておくか悩むところです。

紙に書いてあるのは、「TOY SET」と「MADE IN JAPAN」だけ、輸出用のおもちゃです。
「安いけれど、質が悪い」と言われながらも、主要輸出品として外貨を稼いでいたころのおもちゃなのでしょう。1960年の終わりごろには、アメリカではこの手のおもちゃは、より安い香港製に取って代わられていましたから、1960年ごろのものでしょうか。


中でも、興味をそそられるのは、タコのプリントの包丁です。
見たさには勝てず、ホッチキスで止めてあっただけだったので、開いてみました。


鉢巻をしたタコは、いなせな魚屋さんというつもりでしょうか?
「タコの魚屋」は、島国の日本の子どもには納得されそうですが、輸出先で理解されるかどうか、甚だ疑問です。第一、海沿いではタコを食べるかもしれないけれど、内陸では海を見たことのある子どもも少ないのですから。

持ち手は輸入材のラワンです。ということは、当時すでに、こたつのやぐらや椅子などをつくる材料として、ラワンが輸入されるようになっていたのでしょう。
包丁の柄は、ほんの端材をもらってきてつくったものと思われます。


プラスティックは、出始めでしょうか?もしかしたら、新しいおしゃれな素材として加えたかったのかもしれませんが、湯道の切り離し方など、雑な仕事をしています。


プラスティックの加工に比べると、金属の加工には破たんがありません。
とってもきれいにできています。


それにしても、いまだにこんなものがデッドストックとしてざくざく出てくるというのが面白いなぁ、おもちゃ骨董のさわださんが、いっぱい持っていました。

どれも平らなので、また元の袋に入れ、もとのホッチキスの玉を通して、曲げて、袋に入れたまま飾っておくことにしました。








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