O.Yさんがエプロン(割烹着)を忘れていきました。
前から、
「素敵だなぁ」
と、ちらちら見ていたエプロン、直線裁ちなので、型紙を起こしてつくってみることにしました。
O.Yさんのはエプロンの布は、ちょっと厚手の藍の細い縞です。
インドの手紡ぎ手織りの布、カディーでしょうか?
私もカディーのエプロンを一枚持っていて、それは藍より白が勝った縞です。
でもO.Yさんの布より柔らかくて、しなしなしています。
裁縫は、選んだ布により、元気が出たり、出なかったりします。
例えば、元は布団カバーで、ちっとも傷んでないので取っておいた布なんかでつくると、途中で、
「別に捨ててもよかったんだから」
と、どうでもよくなってしまったりします。
だから、使うにはちょっと惜しいような、気に入った布でつくるに限るので、上海布を使うことにしました。
上海布っていったい何でしょう?
その昔、三重県の骨董屋而今禾(じこんか)が益子の雑貨店に出展していたのを買ったもの、而今禾以外では上海布という言葉を使っていないので、どんなものかよくわかりません。
幅は約53センチ、カディーのように手織り機で織った布にしてはかっちりとしていて、かといって現代の織り機で織った布でもなく、ちょっと昔の力織機で織った布のような感じがする布です。
「足りるかな?」
型紙をあててみると、ぎりぎり足りて、端布もほとんど出ませんでした。
もちろん、横幅が53センチもあれば十分着られますが、絶対に幅はたっぷりしている方が素敵です。布を横に使うことにしました。
「さぁ、訪問者の立て込まないうちにやっつけるぞ」
O.Mさんにエプロンを返す約束の日までにつくれば、細かいところを参照できると、先々週だったか、雨の日につくりはじめました。
ところが、布が重なって厚くなったところで、決まって上糸が切れます。はずみ車を手回ししながら進めてみると、針が悪いのか、針と布が合っていないのか、布が重なって厚いところではなかなか針が引き抜けず、そうこうしているうちに糸と針の関係が狂って切れることがわかりました。
何度も眼鏡を二つかけて糸を通し直しましたが、そのうち、重なったところでは、切れないように手回しで縫うことにしました。
四苦八苦、八苦十六苦でした。
雨だったから裁縫日にしたその日、夕方にはすっかり晴れました。
そして、エプロンはその日には出来上がらず、O.Yさんにエプロンを返してからも、しばらくはミシンに向かう時間が取れませんでした。
そして、やっと取り掛かったのは、縫いはじめて十日以上経ったころでした。
エプロンの後はボタン二つで留めてあります。
ボタンホールは、今のミシンではつくったことがなかったので、端布で試してみたらうまくできません。
手縫いの方がましとやってみたら、久しぶりでしたが、手はちゃんと覚えていました。
完成しました。
布を横に使ったため、O.Yさんのエプロンより丈が短くなったのにこの長さ、とっても温かです。
O.Yさん、ありがとう、なんて、密かに型が盗まれたことなんて知らないよね?
忘れものには気をつけましょう。
商家だった我が家では友人の家で見る白いエプロン
返信削除割烹着姿のお母さんって珍しい存在でした。
遊びに行くとハーイっと言う返事といつも手を拭きながら
「昭ちゃんがきましたよー」
先日の話「異人たちとの夏」で秋吉久美子がエプロンを丸めて
「またいらっしゃいねー」っと手を振る場面は
全く泣かせるバイね。
昭ちゃん
返信削除私の祖母はいつも着物に白い割烹着、あのころの割烹着の襟元はたいていまっすぐ降りてきたところがV字形になっていて、そこに幅広のレースをあしらっていたので、また「朝の連続テレビ小説」の話になりますが、変な襟ぐりの割烹着を着ているのを見て、「それは違うでしょう!」と言いたくなったことが、二度や三度ではありません(笑)。
このあたりの年配の方、よく割烹着を着ていますが、そういえば最近あまり見なくなったかも。15年ほど前、近所のたけさんとちよさんと買い物に行くことになったら、ちよさんがよそ行きのかわいいアップリケのある青いギンガムチェックの割烹着を着てきて、ほほえましかったことがあります。
母は、東京で暮らしながらも、いつでも腰に巻きつける小さいエプロンをしていました。近所の人もそうでしたね。お使いに行くときだけ外すような。私は、いつもエプロンを忘れてしまい、持っているエプロンが、ちっとも傷まないで、たまるばかりです(笑)。
あー、素敵な割烹着ですね。たっぷりしていて、シンプルで。
返信削除私も盗作したくなるかも(^^)。後ろのボタンもいいですね。
karatさん
返信削除でしょう?karatさんなら見ただけでできちゃうでしょう。幅は袖をつけたところから下の方が、ちょっとだけ細くなっています。丈が長いところも好きです(^^♪
エプロンだから後ろが開いているのでそう暖かくないかと思っていたけれどなかなか暖かいです。
かわいくできましたね~。さすがパジャマを縫っていらっしゃるだけあって、袖が付いているものもお上手ですね。
返信削除私は服が濡れると嫌なので家事の時は必ずエプロンをしますが、それ以外は必ず外すので、割烹着はちょっと脱ぎ着が大変かな?この前テレビで昔トイレットペーパーが品不足になった時のニュースをやっていましたが、みんなエプロンや割烹着でスーパーに買い物に来ていてびっくり。あり得な~い(笑)。
カディーのエプロンは贅沢ですねぇ。而今禾はナチュラルファッション系の雑誌で名前をよく見ますが、まさか春さんのブログに名前が登場するとは!ずっと洋服屋だと思っていて骨董屋だとは知りませんでした。
hiyocoさん
返信削除やっぱり機械が苦手、本当に四苦八苦でした。寝巻もねぇ、そろそろ縫わなきゃ。
エプロン、好きなのに肝心な時にするのを忘れてしまいます。まあ、いつもどう汚れても構わないような服装をしているからですが(笑)。
そうですよ。昔はみんなエプロンしていましたよ。そういえば、主婦連というのもありました。割烹着を着てお杓文字持ってデモする。友人のお母さんが主婦連の幹部と聞いていて、お訪ねするとき緊張した覚えがあります(笑)。
えっ、而今禾が洋服?そういえばありましたかねぇ。古道具は家がいっぱいになったらそれ以上買いませんが、服はいつまでも売れる、食べ物と服は「もうこれでいい」ということを知らないから、好きな商売を続けるには欠かせないアイテムかもしれませんね。
益子の焼きもの屋さんでときおり開かれた而今禾展、好きでしたが何故か別の(競争相手の?)人気雑貨屋さんに常設コーナーができて、一度覗いて以来行っていません。そこではやたら高かったような。今では益子は古道具屋「内町工場」だけですっかり満足しています。