2018年1月14日日曜日

レース

私たち夫婦は、どちらかと言えばよくしゃべる方ですが、昨日遊びに行った赤城山のK夫妻のおしゃべりにはかないません。
5時間余り、部屋に言葉(おもにK夫妻の)が飛び交っていて、気がついてみたら、写真はほとんどありませんでした。


Kさんは、学生時代から、
「ヤギの乳を搾る時間だからおれ帰る」
とつき合いもそこそこに帰って行ったような人だったとか、今も山羊と縁の深い生活を送っています。
山羊の彫刻を日々つくり、山羊の乳を搾り、チーズをつくっています。


ブロンズの山羊、雌型の石膏の山羊、木彫りの山羊、


今制作中の粘土の山羊などなど、アトリエには山羊があふれていました。


夫人のSさんはパリで暮らしたこともある方、夫たちが「美とは何か」とか、「言葉とは何か」などと言う話をしているのを横目に、私たちはパリの手芸屋さんの話、アンティーク・レースの話など、もっぱら女子会話を楽しみました。

Sさんと話していて、数世紀前まで木綿が一般的でなかった日本同様、フランスでも、庶民の布は大麻、カラムシ、亜麻など総称して「麻」と呼ばれた素材が最も一般的だったということが、改めて腑に落ちました。
ヨーロッパは麻と毛とは知って(もちろん古くは毛皮)いましたが、確かにアジアを植民地にする以前は、木綿は手に入らなかったし、木綿の栽培も難しかったので麻中心は当然でした。

写真がないのが残念ですが、Sさんが飾っている十九世紀のボビンレースを見せていただきました。すごい!
ボビンを何百本使ったのでしょう、糸は細く、レースの目は細かく、肉眼ではただの布に見える部分もあるほどの、見事なレースでした。
ヨーロッパは日本より編み物が盛んですが、古くは一本の「ニードル(針)」を使って編む手法だったそうです。漁網と同じ編み方です。
その後に、ボビンやかぎ針、棒針などの道具がつくられて、編みものの幅も広がったのです。

 
そういえば、イギリスのエリザベス一世は、レースの襞襟がお好きでした。


元祖、エリザベスカラーです。

さて、Kさんは、この冬、罠にかかったイノシシをすでに三頭も解体したとか、その肉をおすそ分けでいただいてきました。
Kさんが先日、山羊チーズを収めている東京のフランス料理店にイノシシ肉を差し上げたら、そのおいしさより、Kさんのさばき方の美しさに感動されたとか、部位ごとに、それはそれはきれいに解体されています。


Kさんの白カビの山羊のチーズです。
もともと山羊乳100%のチーズは、日本ではほとんど売られていない、山羊のチーズと言われてい売られているものも、牛乳混入のものが多いのですが、Kさんのチーズは山羊乳100%、そして、日本一と言われています。




 
 

2 件のコメント:

  1. オイルステインの上のザクロが気になりますね~。

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  2. hiyocoさん
    そう、「もっと撮るものがあるだろう!」っていう感じだけど、ザクロが素敵に割れて、素敵に腐ってないなぁと感心しつつ撮ってしまいました。
    本物の山羊とか、もうすぐ17歳のわんちゃんとか、心づくしのお料理とか、いっぱい撮るものあったのにねぇ(笑)。

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