2019年4月23日火曜日

ペルシャ文化を垣間見る


イランのテヘラン大学でテキスタイルを学び、失われたペルシャのテキスタイルの再現に 精力的に携わっているモジュガンさんが、東京自由が丘のDIGINNER GALLERYで、明日(4月24日)まで、展示即売会を開いています。




ペルシャ起源の染めもの、刺繍、服飾スタイルなどは、文化が行きかい幾重にも重なってしまったイランには残っていませんが、周辺には残されているところもあり、とくにインドに多く残されています。
古いペルシャスタイルの服や、唐草、ペイズリー、生命の樹などの木版染めに加えて、今回は美しい刺繍を施された布が加わっていました。
上の写真の青い服や、二枚目の写真の左3点などです。


モジュガンさんがデザインして、インドの職人さんが刺したものです。
この刺繍は薄い木綿の生地、ローンが織れての作業です。ペルシャの人たちも、細い細い木綿糸を手で紡ぎ、手で織っていたのですが失われてしまい、それがインドにも伝わっていまも残っています。


裏もとてもきれいですが、職人さんは裏を見て刺すそうです。


これはまだ売れていなかったので、ちょっと欲しかったけれど、どこへ着てゆく?着ないとしたら、どこへ飾る?
着るあても飾るあてもないので、眺めて愛でただけでした。


二階には、ブラウスたちもありました。

モジュガンさんと日本をつなげているのは、かつて彼女が神戸工科大学で、杉浦康平氏のもとで学び、博士号を取得しているからです。モジュガンさんは、特に生命の樹と水の関係に関心を持っていて、ライフワークにされています。


モジュガンさんは夏以降は、インドに研究者の職を得て行ってしまわれますが、6月18日にはやはり自由が丘にある「岩立フォークテキスタイルミュージアム」で、「イランにおける生命の樹」と題した講演をなさいます。
岩立フォークテキスタイルミュージアムでは、7月13日まで生命の樹に焦点を当てた展示をしていますが、5月14日には『インド花綴り』の西岡直樹さんが、「インド、人々の内にしげる樹」と題されてお話されるよう、そちらも楽しみだけれど、行けるかな?






2 件のコメント:

  1. 細かくて丁寧な刺繍ですね。素敵!
    細い木綿糸で織ったものがインドのカディコットンですね。ルーツはペルシャでしたか。

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  2. hiyocoさん
    ルーツがペルシャだと彼女は行っていましたが、私は定かではありません。
    ペルシャの刺繍が、インドの薄手の木綿と出逢って花開いたと考える方が楽しいですが(笑)。
    イランは文化の交通の要所で、古いものが新しいものに塗り替えられてしまったことは容易に想像できますが、インドは端っこでもないのにいろいろいき留まって発酵して、残っているのが嬉しいですね。若いころは、刺繍のあるクルタをよく着たりしていました。
    イスラムの人たちは、わりと進取の気性に富んでいるのかもしれません。20世紀の初めに軽いからといち早く化学繊維や化学染料を取り入れたのはイスラム圏の人たちでした。そのため、民族衣装でも、シルクや木綿のなどはほとんど残っていません

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