2019年7月1日月曜日

弁当籠

しばらく前の骨董市で、玩古さんのおやじさんが、籠に入った手づくりらしい人形を並べていました。
その人形を何と形容したらいいか、布の日本髪、手描きの顔、そして着物を着ているのですが、身体の形が変で雰囲気も不気味、手にしたら、恐ろしくて捨てることもできない、そんな人形でした。
でも、籠は情念もこもっていないようで、とっても素敵でした。
「これ、セットでしょう?籠だけ欲しいんだけど、無理よね?」
「・・・・・」
ちょっとだけ考えたおやじさん、
「別々でもいいよ」
「やったぁ!」
まさか、籠だけ売ってくれるとは、ラッキーでした。


どこでつくられた籠でしょう?
どこでつくられたと言われても納得するような、ちょっと国籍不明の籠です。


材料本体は竹で、縁はラタンで始末してあります。
竹ひごは薄く、節はすっかり平らに削られ、網代に美しく編まれています。黒い竹は、何かで染めたものです。


箱の角のラタンの補強の仕方は、もともとは中国の方法だったのか、中国の籠で見るし、タイにもあるし、日本にもあります。


底に太い竹を通して補強する方法も、タイにも中国にも、日本にもあるでしょう。
でも、竹の柔らかさからして、熱帯の竹ではなさそうです。熱帯の場合、こういう籠を編むなら、竹ではなくラタンかヤシの葉を使いそうです。


この籠は、二重に編んだ内側がまた素敵なのです。
こちらは節を、完全に平らには削り取ってはいません。と、よく見ると節が目立つのは蓋の方だけ、身の方には全く節がありません。


芸が細かい!
隅々まで美しくて、ほれぼれします。


お弁当箱ほどの大きさなので、ブータンのお弁当箱を思い出しました。
網代に編んでいるところ、一部を染めて模様をつくっているところ、内側に別に編んだものを重ねて二重にしているところなど、考え方が似ています。
もっともこの四角い籠は、ブータンの籠ではありません。

Tsampaka  metoより

ブータンの四角い籠は、もっとシンプルにつくられています。
それに、竹とイ草、材料が違います。

友人がブータンに行った四半世紀前、学校に通う子供たちはみんなこのお弁当籠を持って通学していましたが、いまではプラスティックや、金属を重ねた手提げ式のお弁当箱が増えているそうです。


お弁当を持ってどこかへ行きたくなりました。
それにしても、どこでつくられた籠でしょうか?






2 件のコメント:

  1. 籠が二重になっているなんてすごいです!
    買わなかった恐ろしい人形も気になる~(笑)。

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  2. hiyocoさん
    人形はかわいいのと怖いのは紙一重です。でもどう見ても怖かった!
    セットだと言われたら、竹籠がこんなに素敵なのに買わなかったかもしれません(笑)。

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