でも、端に刺繍があるだけなので、単に藍色の布として、上着にしたり、パンツの部分に使ったりと、素材として重宝していたので、切り刻んで使ってしまったと思っていました。
ところが、戸棚の中に一枚、完全なものがありました。
というわけで、しつこいようですが、またヤオの民族衣装の続きです。
50センチ幅に織った布を藍で染め、ターバンに仕立てたものを計ってみると、5メートルありました。
布の両端に刺繍してあります。
模様にはそれぞれ名前があり、下から「鋸」、「折れた木」、「鋸」、「猫」、「猫」と「銀の花」、そして「猫」の順に刺されています。
タイやラオスのサラブリ県のヤオは、「鋸」文様の片側にだけステムステッチ(線に見えるところ)を刺しますが、これは「鋸」の両側にステムステッチがしてあるので、ラオス北部のヤオのターバンだということがわかります。
二つに折って頭に巻くので、布裏は原則として見えないのですが、糸がきれいに始末されています。
左が裏、右が表ですが、模様にほぼ変化がない、クロスステッチのところだけ裏表がわかりますが、裏も表としても通用するくらいきれいです。
「猫」は、どこが猫かと訝しく思いますが、「小さな猫」、「曲がった猫」、「猫の爪」などいろいろあります。
猫のほかの動物文様は、手長猿、蜘蛛、蟹、子豚、ミズスマシ、虎、そして龍です。
手織り布ですから、端はとてもほつれやすいものですが、美しく始末されています。
縁のかがり方がきれいですねー。
返信削除hiyocoさん
返信削除そうなんですよ!もし私にやれと言われたら、絶対できないと思います。
それをみんながやっていたのですからすごいですね。
冠婚葬祭には民族衣装が要ります。難民となってアメリカやフランスに渡ったヤオたちは、東南アジアに住む人たちから衣装一式を買っているのだけれど、東南アジアにも作れる人が少なくなって、何千ドルもするようです。
今でもスカーフなどで髪の毛は覆っているようですが、日常着としては、すっかり消えてしまいました。