2021年2月28日日曜日

会津若松張り子


会津若松張り子の兎車です。
会津若松張り子は、三春張り子と並んで、東北の玩具の中では古い歴史を持つものです。


三春張り子に比べるとずっと素朴ですが、それだけに玩具としては味があるとも言えます。
会津若松で張り子がつくられるようになった発端は、鶴ヶ城蒲生氏郷公が、天正年間(1573-91年)に、無役の藩士の手内職として、京都から工人を招いてつくらせたものと言われています。

『日本郷土玩具事典』(西沢笛畝著、岩崎美術社、1964年)より

会津若松張り子には赤牛、大名乗馬、子ども乗り馬、

同上

犬車(江戸の犬張り子の影響を受けている)、

同上

兎車、虎車、馬車、熊車、

同上

起姫、天神、だるまなどがありました。
中でも人気だったのは、赤牛、子ども乗り馬、起姫でした。


現在も、赤牛は赤ベコとして、起姫は起き上がり小法師として、会津地方で盛んにつくられています。


さて、兎車の車輪は薄い板でできていて、真ん中がちょっと高くなっていることから、小刀のコンパスで両面から回して切り取ったのではないかと思いました。


車軸を裏で留めている竹も素敵です。


兎車の大きさは、高さ18センチあります。
今では、家事情から大きなおもちゃは好まれず、かつての江戸のように、小さなものが好まれています。


会津では、今もこんなウサギがつくられています。





 

2021年2月27日土曜日

上棟しました!


助っ人Kさん、再び現る。
昨日は、梁(はり)や上桁(うわげた)に束(つか)を立て、その上に母屋(もや)を組みました。
「小屋組み」と呼ばれるところ、躯体組み立ての最終段階です。


全部手であげて、組んで、上棟しました。
棟木は細く、母屋の一部と呼ぶ方がふさわしいものですが、自力で組むつもりだったので、太い木は使いませんでした。
母屋には垂木を乗せるために斜めの刻みがついていますが、設計変更したため、新しくつくっている軒桁には刻みを入れなくてはなりません。写真はそのため、夫が刻みを入れる深さなどを、図面はできているけれど、実際に当たってみているところです。
設計変更以前は、軒桁を置かないデザインだったので、垂木は通常の1尺5寸間隔ではなく、たっぱの高いものが1尺間隔に入っています。ということは、たくさん刻みを入れなくてはならないということです。


そこいらじゅうに積んであった材木が一掃されました。
これから、屋根がかかるまで、もうひと頑張りです。




 

2021年2月26日金曜日

古い材


材木屋さんのセールで買った木には、ステンシルを使って、1本1本印をつけてあるのが、古さを感じさせます。材木屋さんの倉庫に、少なくとも40年、あるいはもっと眠っていたものと思われます。
いつ頃まで手作業でこんな印をつけていたのでしょう?
「印」の次は産地や会社名などを記したシールを貼っていたのか、シールを貼った材木を買ったこともあります。それも古びた材木でした。
今では、シールも貼ってないかもしれません。


百年ものの杉の木は、6×4寸の材でしたが、設計変更したので軒桁材が必要になり、18×9センチに割りました。


それを容赦なく自動鉋(カンナ)にかけて、材木とともにあった印を削り落とします。


木ってすごい、削ればまっさらになりますが、印が消えたのがちょっと残念です。
これに、伸ばした梁に乗せるための刻みと、垂木を受けるための刻みを入れはじめました。



 

2021年2月25日木曜日

茶くまくん、白くまくん


週のはじめに、家をつくりに来た息子が、孫のはなちゃんからというビンを手渡してくれました。
「あらっ、お菓子かな?」
はなちゃんはマメにお菓子をつくります。
「違うよ」
と、息子はにやにやしています。


開いてみると、ティッシュペーパーに包まれていたのは、なんとはなちゃんが紙粘土でつくった、茶くまくんと白くまくんでした。


形もいいし、出来上がりの精度もいいし、色むらなく、細かいところまできれいに塗れています。


白くまくんは、ほっぺたに食べカスをつけながら、美味しそうにサツマイモを食べています。
やるなぁ5年生。


私が昔絵つけした招き猫と比べて見るとはなちゃんの力量がわかります。
細かくは描けないと思ったので単純なのにした招き猫(なんという猫だったか名前は忘れたけれど、新聞の漫画に出てきた猫)の、線はでこぼこしているし、丸は丸になっていません。






 

2021年2月24日水曜日

梁は乗った!


というわけで昨日、Kさんが手伝いに来てくれて、2人でやっと持てるほどの重さの梁(私は、もし圧迫骨折でないとしても持てない)を、7本乗せました。
まず、ユンボで梁を東端の桁(けた)の上に乗せます。3メートルほどの高さですが、我が家のユンボでは、アームを伸ばせるのはこの高さでぎりぎりです。地上で梁に紐を掛けるとき、左右のバランスよく掛けないと、持ち上げたとき梁が傾いて、桁の上に乗せることができません。


桁に乗せたら、所定の位置までKさんと息子が運び、刻んだところを組み合わせて、カケヤ(掛矢、大型の木槌)で打ち込みます。


室内に柱が立っているところは、その柱にも梁を組み込みます。


作業は順調に進みました。


南側に梁が突き出ているところは、ちょっと勇壮です。


午前中で、梁は全部乗りました。


次いで午後、梁の上に桁と並行して上桁を乗せました。


上桁も重いのですが、たっぱが低い分、そして短いのを何本も組み合わせている分、扱いが楽でした。


ついに、上棟の最大の難関の梁乗せが終わり、ほっと一息です。





 

2021年2月23日火曜日

今日が山場

土台の大引を組むと、それを乗り越えて移動するのが大変、足場が悪くなって作業の邪魔になるので、後回しにしていました。
ところが、コンクリートの基礎部分だけでなく、木の土台部分にも断熱材のスタイロフォームを貼らなくてはならず、大引を組んでおかないとその作業ができないので、組むことにしました。


大引を受ける土台は、一方は穴になっているので、そこに大引を差し込んで、反対側の端は、上からたたき込みます。
ただ、プレカットの位置が3センチ低かったので、下端には木片を入れ、上端は3センチ刻みました。

大引の反対側は、上から叩き込むように、土台は上端まで刻んであります。柱を組む前に設置すればなんの問題もなかったのですが、柱をすでに組んでしまったため、柱が邪魔になって上から大引を上から落とし込むことができません。


「どうする?」
柱の脇を彫って、そこに大引を落とし込み、横にスライドさせて留めることにしました。


こうやって落とし込み、スライドさせたのでした。


大引の設置を終了しました。あとは3尺おきにアルミニウムの束を立てて、補強します。
障害物競走のようで、歩きにくくなってしまったので、大引の上に足場板を渡して、上を歩けるようにしました。


今朝の様子。
今日はこれから最大の山場である、重い梁を桁の上に乗せます。


一番手前に乗せてある梁は、ユンボで乗せました。これから奥へと転がしていきます。
あと、全部で7本。重い梁を全部設置できたら、あとは比較的軽い材なので、作業が進みそうです。




 

2021年2月22日月曜日

2月22日、猫の日


2月22日は、にゃんにゃんにゃんで、猫の日だそうです。
私は、招き猫好きであることは確かですが、猫好きかと問われれば、熱狂的な猫好きの人を見るとちょっと引いてしまうので、猫好きとは分類できない気がします。


それなのに今年は魔が差して、毎年、雑誌『アエラ』からこの週に発行されている『ニャエラ』を買ってしまいました。
表紙が、我が家の猫のトラと同じキジトラだったからかもしれないし、最近、猫が何故人と暮らすように進化したかというテレビ番組を見たからかもしれません。

9月29日は「来る福=招き猫の日」です。1年に2回も猫の日があるのは、犬や鳥に対してちょっと不公平な気がしますが、猫は干支に入ってないので、これでバランスが取れているのかもしれません。



初めて手にしたニャエラは、さすがに広告もすべて猫に関係したものという徹底ぶりです。


でも、私の目を引いたのは生猫たちではなく、やっぱり招き猫でした。しかも、招き猫が映り込んだ写真は、たくさん猫の写真がある中で、招き猫に焦点があっていないのとこれと、2枚しかありませんでした。
この写真の、顔を切られてしまった大きい猫はインドネシアのバリ製、その前の笑顔の猫たちは瀬戸の薬師窯の猫、そしてお目めぱっちりのペア招き猫は、東京今戸神社の授与猫です。授与猫は、以前は今戸人形の白井さんがつくっていましたが、縁結びということでブームになり、手づくりしていては間に合わなくなって、大量生産できるところに受注されたはずです。
観光地同様、神社によってはそれもありかなとも思いますが、一体入魂、自分の身を削るようにして今戸人形をつくられているいまどきさんにとっては、憤懣やるかたないもののようです。





2021年2月21日日曜日

刻みの次も刻み


息子家族の家は、最初、小さな家なのでごつすぎないようにということで、東西の端の梁を除いて、南に梁が突き出さない設計になっていました。でも、梁が出て、その上に垂木と野地板が見える方が気持ちいい、というわけで、夫が設計変更しました。
すでにプレカットしてもらった梁を挟むようにして、幅(たっぱ)210ミリ、厚さ45ミリの板をビス止めして、梁の長さを伸ばすのです。


そのため、45ミリ厚の板16枚に、すでに組んでいる桁に乗るところ、その上に乗せる桁を受けるところの刻みを入れました。


また、南の壁の部分で、桁と桁の間にガラスをはめ込むので、その切り込みも入れました。


なんと、図面をよく見ないで、必要ないところに切り込みを入れてしまい、夫がみっともないから板そのものを短く切ってしまうというのを説得して、材質の違うケヤキを嵌めなくてはならないというおまけもありました。


忙しいのに、一手間増えてしまったというわけでした。


クレーンを使わず手で乗せているので、夫と私だけでは重くて乗せることができません。息子と夫でもへとへと、というわけで、また23日火曜日に来てくれるという頼もしい助っ人Kさんを待っているところです。


といっても、この20年手伝ってくれているKさんも、その間20歳年を取ったということですから、それだけ重いものを持つのが苦になっているはずですが。


というわけでこの週末から、私は一人でもできる土台の大引(おおびき)をはめ込んでいます。
プレカットは、これまでまったく間違いがなかったのですが、ここは、夫とプレカット屋さんとの打ち合わせの手違いか、30ミリだけ低くなっていました。また、ストーブ置き場があるあたりはどうなるかわからないからというわけで、最初から壁の土台に刻みを入れてもらっていませんでした。というわけで、新たに刻んだり、高さを出すために既存の穴に木片をはめ込んだりと、しばらくそんな仕事が続きます。
本当は柱を立てる前に土台の大引をはめるのが手順だったのですが、歩きにくくなるので後回しにしていました。しかし、木の土台の内側にも断熱材を貼った方がいいとアクアレイヤーの前田さんのご指摘があったので、大引を嵌めることにしました。
案の定、大引を嵌めると歩きにくくなっています。いちいち脚を高く上げて歩くのは、身体によさそうではありますが、えらく時間とエネルギーがかかります。