2021年3月18日木曜日

子どもの手づくりおもちゃ

いつ見てもほほえましい写真があります。


バングラデシュの田舎道を歩いていたら、男の子ばかり数人、木陰に木の葉を敷いて、自分たちでつくった天秤ばかりを使って、お店屋さんごっこをしていたのです。
イスラム教徒たちがいる国でも、女性がものを売っているところもありますが、バングラデシュの市場の売り子さんはみんな男性です。そして売り子はたいてい天秤ばかりを持っています。これは男の子しかできないごっこ遊びだったのです。
あまりのかわいさにもっと写真を撮りたかったのですが、1枚撮った瞬間、彼らは一目散に逃げてしまいました。


お店ごっこに触発されてだったかどうか、私はその訪問のとき、村の荒物屋で天秤ばかりを買ってしまいました。しかし、新しい金属には味というものがありません。ピッカピカの天秤ばかりを、誰かに錆びて角が取れた古い天秤ばかりと替えてもらいたいものだと、市場をうろうろしました。市場には使い込んだ美しい天秤ばかりがあふれていましたが、ベンガル語はできないし、そのときは紐もつけてなかった(紐は自分でつけるもの)のでなすすべもなく、泣く泣くそのまま、新しい天秤ばかりを持って帰ってきました。
角はすり減ってはいませんが、金属は今ではすっかり古びています。

いろいろな国で、子どもが手づくりおもちゃで遊んでいるのを見かけました。


手づくりとは少し違うかもしれませんが、ガーナだけでなくアフリカの国々では、古い自転車の車輪を棒で転がしながら走る輪回しが大好きです。
車輪のほかには、缶詰の空き缶が人気、獣の皮を張って太鼓をつくったりします。


写真は、ガーナの男の子がつくった木彫りの鳥の動くおもちゃです。
柔らかい木でつくってあり、錘は土を固めただけのものです。


自然素材のおもちゃに比べると、味はないのですが、カンボジアの男の子が、飲料水の空きボトルと魚の缶詰の空き缶でつくった自動車です。
バンコクには、かつてスラムがたくさんありましたが、家族が路上で暮らしている姿は見ませんでした。田舎から来た家族も、知り合いを頼れば、どこかしらのスラムに潜り込むことができたのでした。
インドの都市には、路上生活者は溢れていましたが、公園などの塀に沿ってテントを張って暮らしていました。
ところが驚いたことに、プノンペンでは歩道にビニールの敷物を敷いただけの路上生活家族が多数いました。雨季には、毎日のように雨が降ります。そんなとき、土砂降りでも雨に打たれながら、みんなで声もなく座って濡れていました。
そんな、路上生活をしている男の子がつくったものです。引いて歩けるように、紐をつけていますが、


棒で押しても遊べます。





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