2021年3月6日土曜日

ままごと用の籠


小さな籠の中には、もともと小さいものを入れる目的でつくられたものがあります。



それとは別に、実際に使っている籠のミニチュアとして、小さくつくられた籠があります。


ミニチュアは、子どものおもちゃ用としては精密すぎます。


大きい籠をつくるにも技術がいりますが、小さい籠をつくるのはもっと面倒です。
つくる人がどこまで小さくできるかと極限を目指したのかどうか、ミニチュアの籠の多くは、細い細い材料でつくられていて、籠師さんたちはどんな手を持っていらっしゃったのか、手元を見たかったような籠たちです。


実物よりは小さいけれどミニチュアより大きい籠は、子どものままごと用につくられたに違いありません。
多くのおもちゃと同じように、最初は父親が子どものためにつくったものが評判を呼び、商品としてつくるようになったのかもしれません。ミニチュアより頑丈にできていて、子どもが楽しくままごとできそうな籠たちです。
私の持っているままごとの籠は、偶然でしょうか、すべて持ち手のついています。


ままごとの籠の中には、どちらを先に手に入れたかは忘れたものの、それと同じ実際の籠を持っているものもあります。
実際のキンマーの一式を入れる籠は、ココヤシの葉柄とビニール糸でつくられていますが、ままごと用の籠はビニール糸は使っていない、竹とラタンでつくられています。
形が同じなのに材料が違うということは、形を踏襲しながらも、その地域で手に入りやすい材料でつくるということ、いただいたときはそう好きでもなかったビニール糸で巻いた籠も、今では大好きになっています。


中国籠と呼んでいたこの籠は、タイにわたった中国からの移民の方たちがつくられていました。
大きい籠はもとより、ままごと用の籠、ミニチュアの籠のどれもが美しい仕上がりで、見つけると最もわくわくした籠たちでした。


ままごと用の籠の中で、ピクニック用と思われる籠です。
材料をひねりながら巻き上げた籠はヨーロッパ製、ラタンのピクニック籠は日本製です。
ヨーロッパの籠は、実際に食べるものを入れて使えそうですが、日本製の籠は、もしかしたらお雛さまの飾りだったのかもしれません。




 

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