2021年7月1日木曜日

やなぎの籠か?


やなぎで編んだ籠です。
この手の籠では、スゲの籠わらの籠を持っていますが、固い素材で編んであることに驚きました。


水に濡らして柔らかくして編むとはいえ、縁で曲げたりするのは、大変だと思います。


平たく編んだものを重ねて「わ」にしてある技術が美しい。


両端を重ねて編んで、紐は内側で結んでいます。


下げるための紐がまた素敵です。
大麻でしょうか、カラムシでしょうか?
紐も手づくりなのでしょうか?


同じ製法の籠たち、左から稲わら、やなぎ、そしてスゲの籠です。

私がこの形の籠を初めて見たのは、宮城県ででした。
学生時代、夏休みを利用して友だちのさっちゃんとやすこさんと3人で東北旅行に出かけたものの、その日私は身体の調子が悪くて、肘折温泉に行って同じ宿に戻るという予定をパスして、宿に残っていました。宿はどこだったのか、山形県ではなく宮城県だったような、今でははっきり覚えていませんが、鳴子温泉あたりだったような気がします。もっとも私たちは温泉巡りをしていたわけではなく、とくにさっちゃんが、こけしや郷土玩具を訪ね歩いていて、どうしても肘折に行きたいとがんばったのです。
しばらく寝ていると、身体の調子がよくなったので、私は歩いて近くの農家数軒を訪ねました。その1軒で、稲わらでつくった、これらより大きい籠を見つけて譲っていただいたのです。
そのわらの籠は長くありましたが、持ち歩いたり、陽に当てたりしているうちに劣化して、わら屑がぼろぼろと崩れ落ちるようになり、ずいぶん前に処分しました。
東北にしかない形の籠と思っていましたが、スゲの籠を手に入れたとき、骨董屋のまことさんは、それが秩父のものではないかと言っていました。とすると、関東以北の形と言えるのでしょうか?


やなぎはヨーロッパではよく使われる材料ですが、ヨーロッパでも地域によって、やなぎによって、風合いが違います。
手前の左は中国のやなぎの籠、日本の柳行李に、素材も編み方もよく似ています。


ヨーロッパの、籠材料としてのやなぎは、ひこばえを使うそうですが、日本でも同じ方法で材料をつくっていたのでしょうか?


それにしても、柳行李によく似た中国の籠と比べてみて、
「これは本当にやなぎの籠なのか?」
という、疑問がむくむく湧いてしまいました。
新潟の骨董屋さんはやなぎと言っているけれど、もしかして萩なのではないか、我が家にある萩の戸によく似ています。
もちろん、やなぎであろうが萩であろうが、材料は何でもいいのですが、ちょっと知りたい。






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