2010年8月7日土曜日
萩のすだれ戸
長い間、大工仕事も建具仕事も、お休みしていました。
仮小屋の解体、新しい資材置き場の設置や古い資材置き場の取り壊しなどに加えて、草刈りも忙しく、なかなか落ち着いて、作業することができなかったからです。
加えて夫が、テーブルソーを使って、コンクリート工事用の合板をばんばん切るものですから、刃がすっかりだめになっていて、取り替えるまで、細かい細工には使えませんでした。
「なんで荒作業に、テーブルソーを使うのよ?」、「だってスピードが違うんだもの」、「急がなくてもいいでしょうに?」、「俺は急いでいるんだ」、「.....」。
ちなみに、私も合板を細工して型枠をつくりましたが、全部、荒作業用にと決めてある、古い丸鋸を使って切断しました。もっとも、私は単純な型枠つくり専門でしたが、夫は、切り口を斜めに切ったり、目地棒を張ったりして、装飾をほどこす、手の込んだものばかりつくっています。
誰も目を留めないような、基礎のコンクリート打ちですから、凝らないで、ささっとつくればと思うのですが、そこは譲れないようで、「刃を替えりゃあいいんだ、刃を」と言いますが...。
久し振りの建具仕事は、以前、骨董市で手に入れた、萩の枝を編んだ戸を、日除けとして、障子のレールに入れて、使えるようにすることです。幅は、我が家も昔の尺度でつくっていますのでぴったりですが、高さが足りませんでした。
4枚の戸は、全部、手鋸と手鉋だけでつくってあるものですから、厚みも高さも均一ではなく、新しい木を継ぎ足そうとすると、まっすぐに削りなおすところからはじめなくてはなりません。
なんとか、まっすぐに削りなおし、新しい木を上だけに継ぎ足しました。
一枚はめてみたところです。上に継ぎ足した木は、色もつけませんでしたが、網戸の枠と重なって、また柱や梁の色に溶け込んで、ほとんど目立ちません。
そして、二枚はめてみたところです。
こちらは真西で、西日が入っていました。太陽の位置が毎日ずれ、風も入るので、そう気にならなかったのですが、それでも客人があるときなど、障子を閉めることもありました。
これで、網戸からの風を通しながら、陽を遮ることができるようになりました。
なにより、見た目が涼しげです。下の部分は、縞に透けて見えますが、二枚重なっている縞の一つをずらして、閉め切ることもできます。
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