しばらく前に、元同僚のSさんから、高校2年生の息子を連れて遊びに来たいとの連絡がありました。息子ちゃんは美術系の大学を受験したいのだそうでした。
「アラブ料理をつくるから、ご飯めがけてきて」
と伝えて、
当日は、朝からパレスチナなどでは最大のおもてなしご飯のマクルーバ(アップサイドダウンご飯)をつくろうと下ごしらえ、ラムチョップは塩茹でし、ナス、ピーマン、玉ねぎは素揚げしました。
そして、時間を見計らって、我が家で最大の直径25センチのお鍋に野菜と肉を仕込んで、その上にスパイスを混ぜたお米を入れ、トマトペーストを溶かした水を注いでご飯を炊き上げました。
さて、美味しく炊きあがったかなと蓋を取ってびっくり、野菜と肉が多すぎて、米全体が水に浸からず、上は芯が残って、下はべちゃべちゃのご飯ができてしまいました。
そうだった、そうだった。
あまりにも久しぶりにマクルーバをつくったのですっかり忘れていましたが、お米はちゃんと水に浸ってなくては炊けません。野菜をちょっぴりにして、肉はごろっとした塊肉ではなくて、薄切り肉を使った方がよかったのです。
こうなったら、アップサイドダウンに構っていられません。焦りながら全体をかき混ぜて、芯のあるお米とベチャベチャのご飯を混ぜ、鍋ごとオーブンに入れて、20分加熱してみました。幸い、Sさんは道に迷ってちょっと遅れました。
到着したSさんを見て、開口一番、
「ごめん、マクルーバつくったけど失敗しちゃった」
と言いわけしました。
「あっ、あれは失敗しやすいご飯だから」
と優しいSさん。そうだったのか?
失敗にもかかわらず、なんとかみんなたくさん食べてくれて嬉しかったけれど、今度マクルーバをつくるときは日本の炊き込みご飯のように、ご飯を下にして、その上に具を乗せてつくってみようと思ったことでした。
アップサイドダウンご飯ではなくなってしまうけれど。
さて、パレスチナの家庭で何度もご馳走になったマクルーバは大抵、ちゃぶ台ほどの大きさの金属のお盆や大きな板にどーんと乗せた、大ご馳走でした。













































