八郷の日々
2026年8月7日金曜日
今年のセミ
土間入り口にセミの抜け殻があります。
今年は、例年のようにまずニイニイゼミが鳴いて、アブラゼミが鳴いて、ヒグラシが鳴いて、先週からミンミンゼミも鳴きはじめました。
「ヒグラシが鳴くからもう夏も終わり」というのは間違っていて、わりあい早くから毎日鳴いています。
今年まだ鳴いていないのはツクツクボウシだけ。東京には北上してきているというクマゼミは、ここまでやってきていません。
あれっ、今朝はドアにまで抜け殻が。
出入りするたびに目につく2つです。
あまり高いところまで登ったら、クモが待ち構えているので、賢い選択だったのかもしれません。
2026年8月6日木曜日
井上陽水英訳詞集
『井上陽水英訳詞集』(ロバート・キャンベル著、講談社、2019年)を読みました。
英訳といっても、英語圏の人たちを対象としたものではなく、日本人向けの英訳詞集です。
目次は、
はじめに「井上陽水はうなぎだ」
第1章 時を彷徨う中で
第2章 余白に気をつけろ
A 時の設え
B 鳥を逃した
C 愛
D 同時代性
第3章 井上陽水英訳詞集
となっていて、多くのページが井上陽水の詞をどう捉えるかに費やされています。
陽水さんはもとより、キャンベルさんも言葉が美しい人なので、とてもおもしろい。日本語が韻を踏んでいるときはどう訳すか、余白と曖昧はどう捉えるかなどなど、英訳しながら、陽水さんの詞を深掘りしています。
英訳詞は50曲、年代順に掲載されています。
これを読んだら、久しぶりに陽水さんの歌が聴きたくなりました。レコードはあるけれどプレイヤーがないので聞くことができませんが、
息子が買ってくれた「井上陽水 SELECTION」という、1991年に活動20周年を記念して出された、それまでの曲が全曲入ったCDがあります。
CDは何枚か持っていたし、もらった時は忙しくて、一度も聞いたことがないものです。
CDプレーヤーは、電池式のものも充電式のものも持っていなかったので、語学練習用の簡便なものを購入しました。
音はよくないけれど、蓄音機やAMラジオで聴くことを思えば、なんでもありません。
DISK1の「断絶」から年代順に聴くと、1979年までの歌はほとんど口ずさめるのに比べて、それ以降のCDには10曲ほど入っている中で、1曲か2曲知っているのがあるだけ、それを何枚か聴いていると、DISK10の「LION & PELICAN」まで聴き進んだら、今度は半分くらい知っている歌が出てきたりしました。この間、私自身がどんな生活を送っていたかがわかる、興味深いものでした。
陽水さんをまったく聴いていないころは、子育ても一段落して仕事やら何やらで忙しくしていて、音楽を楽しむ暇もありませんでした。それに、聴くとしたらガムランやモーラムなどの民族音楽が主、タイのグループのカラワンなども聴いていました。
そうそう、マレーシアの空港の薄暗い侘しい待合室に一人で疲れきって座っていたとき、テレビから流れてくるイスラムのアザーンに心を揺すぶられて、アザーンのCDをいく先々のイスラムの国々で買って、その中の1枚をよく聴いていたこともありました。イスラムの国で、アザーンで目を覚ますのは、何か胸が締めつけられるような、懐かしく、もの悲しい、「こんな遠くにはるばる本当に来ているんだろうか?」と思ったりする、不思議な時間でした。
脱線してしまいました。
2026年8月5日水曜日
お疲れさま
たけちゃんのつくったうさぎの椅子とうさぎの机です。
鉛筆書きの設計図通りにできているのが、おもしろいところです。
椅子は、座裏に斜め材を入れているので、大人でも座れます。
3日目に見た時は、机の顔は鉛筆書きでしたが、ちゃんと穴が開いています。
3日目に机の脚を接着したので、することがなくなってつくりはじめたお皿はカエルのお皿になっていました。
そのときたけちゃんは、かんな屑を丸めて包装テープの穴に詰めて、見本に置いてあったお皿(彫りはじめ、途中、完成品の3種類あった)を下に敷いたり蓋にしたりして遊ぶのに夢中になっていて、そのお皿がつくりたいと言うので、余っていた杉板にお皿を当てて丸を描き、その幅に切りました。
長方形になっていた板をすぐ正方形にしないで、あとで糸鋸で落とせばいいやと言うことで、ノミで彫りはじめたのですが、その余白がカエルの目として活きたということでした。
午前中2時間、午後3時間を4日間。大人も子どももちょっと疲れたけれど、とてもいい経験でした。
2週間ちょっといた父娘は、昨日、九州に帰って行きました。
2026年8月4日火曜日
磁器人形の童子たち
先日、骨董市に行ったら、水屋さんの店先に磁器人形の入った箱が置いてありました。
磁器人形と言っても、戦中戦後につくられた、薄くて軽い磁器人形ではなくて、ずっしりと重い、釉薬がかかってテカテカと光っている、絵つけの単純な古い磁器人形です。
人形たちの中に、招き猫を持った童子がいました。
招き猫持ち童子だけ欲しいのですが、おそらくまとめて売っているものだろうと、水屋さんにたずねてみました。すると、案の定一括売りでしたが、優しい水屋さんが市場で買った値段でいいと言ってくれました。磁器人形なら2体、多くて3体しか買えない値段です。
やったぁ!
というわけで、箱買いをしました。
招き猫持ち童子。
我が家に前からいる招き猫持ち童子より、一回り小さいけれどそっくりです。
大きい方を原型にして型をつくって成形し、焼いたら縮んでちょうどこのくらいの人形ができそうです。
他にも、おもちゃで遊んでいる童子たちがいました。
左から、お馬ごっこの棒馬(ぼうま)持ち童子と招き猫持ち童子。ダルマ持ち童子は紐でダルマを押さえて、お馬ごっこをしているように見えます。そして太鼓叩き童子。
一回り小さいのは、花持ち童子と、犬持ち童子です。
鶏、兵隊さん、何も持っていない童(わらべ)。鶏の顔は残念ながら左半分は欠けていました。
這子(ほうこ)。
我が家には先住の這子が2人いたはずと探したけれど、1人しか見つかりませんでした。
この男女児ペアは、ヨーロッパの人形を模したものでしょう。
そして、この2人は中国の人形を模したように見えますが、どうでしょう?
左の女の子は人形を、右の子は花籠を抱えています。
瀬戸でつくられたこれら磁器人形は、どんな人を対象につくられたものでしょうか?
土人形の自在な形や彩色の見事さに比べると、あまりにも素朴です。
そして、もし国内向けではなくて輸出向けだったとしたら、ヨーロッパの磁器人形とは比べものにならないほど稚拙です。
ネットで「磁器人形」と検索して出てくるのは、精巧なつくりのスペインのリヤドロやドイツのマイセンの磁器人形(フィギュリン)ばかりです。
写真上はヘンゼルとグレーテル、下は戦後ドイツでつくられたゲーベル人形、ヨーロッパのフィギュリンです。マイセンなどのフィギュリンは高くて買えないけど磁器人形が欲しい西欧人が、代替として日本の磁器人形を買うとは、あまりにも違いすぎて考えにくいものがあります。
瀬戸あたりに行って調べたら、磁器人形がかつてたくさんつくられた経緯がわかるのかもしれません。
招き猫持ち童子たちは、お仲間ができて、とても喜んでいるように見えます。
2026年8月3日月曜日
朝鮮半島の箕
憧れの、朝鮮半島の柳の箕です。手に入れてしまいました。
![]() |
| 柳の箕つくり。写真は朝鮮国立中央博物館からお借りしました |
柳の箕(韓国語で箕はキ、慶尚道方言ではチン)は、特定の地域に限定されず、朝鮮半島各地の農村で、川辺などに自生する、身近な柳の若枝を使ってつくられてきました。
半島各地でつくられた柳の箕は、地域によってちょっとずつつくり方に差異があり、上の写真はてっぺん(奥)が尖った形の箕をつくるために、左右2枚ずつ(内用外用)、へぎ板を計4枚用意しています。
![]() |
| 写真は사진으로 배우는 한자: 키와 관련된 글자 其와 箕, 그리고 棄からお借りしました |
柳を編んだものを押さえる板を真ん中で継ぐときは、てっぺんを葛で綴って、できあがりはこんな形になります。
写真は材料のコリヤナギ(行李柳)の木です。
水に浸すと柔らかくなり、乾燥すると硬くなる性質を生かして、一旦乾燥させた柳を水に浸して柔らかくして編みます。
柳を麻糸で編み、編んだ柳に窪みをつけながら2枚の松のへぎ板で表と裏からはさみ、葛で綴ります。
外側には、補強の松の板を1枚、横向きに入れています。
翼のようにはみ出した部分は、面積を広げるためのものです。
松の板で挟んだ柳の端が見えないように、切り揃えた後に、太い柳を1本、翼の出るところまで当てて、仕上げています。
韓国の柳の箕をつくる人は行李もつくりますが、行李の方が遥かに難しいと言います。というのは、箕は手間はかかるけれど失敗率が少ないのですが、行李は丸く曲げるときに柳が折れたり、曲げたものが外れたりすることが多いのだそうです。
真ん中に通した色の濃い糸の端を「わ」にして、「口」でたるませているのはなぜでしょう?
引っ掛けて収納するためのたるみかとも思いますが、どの箕も同じように作られています。
日本では、農具の中でも箕は特別なもので、長野県佐久のように、初めての誕生日に幼児を箕の中に座らせ、立たせてみたり、「秕(しいな)は舞い出ろ、実は残れ」と歌って邪気を払って成長を願う地域もあります。
箕を特別に思う気持ちは、おそらく朝鮮半島から日本に伝わったもの、韓国ではお正月に福箕が売られたり、おねしょ直しに使われたりします。
この箕を使っている、興味深いYouTubeがあります。韓国語ですが。
写真は材料のコリヤナギ(行李柳)の木です。
水に浸すと柔らかくなり、乾燥すると硬くなる性質を生かして、一旦乾燥させた柳を水に浸して柔らかくして編みます。
柳を麻糸で編み、編んだ柳に窪みをつけながら2枚の松のへぎ板で表と裏からはさみ、葛で綴ります。
外側には、補強の松の板を1枚、横向きに入れています。
翼のようにはみ出した部分は、面積を広げるためのものです。
松の板で挟んだ柳の端が見えないように、切り揃えた後に、太い柳を1本、翼の出るところまで当てて、仕上げています。
韓国の柳の箕をつくる人は行李もつくりますが、行李の方が遥かに難しいと言います。というのは、箕は手間はかかるけれど失敗率が少ないのですが、行李は丸く曲げるときに柳が折れたり、曲げたものが外れたりすることが多いのだそうです。
真ん中に通した色の濃い糸の端を「わ」にして、「口」でたるませているのはなぜでしょう?
引っ掛けて収納するためのたるみかとも思いますが、どの箕も同じように作られています。
日本では、農具の中でも箕は特別なもので、長野県佐久のように、初めての誕生日に幼児を箕の中に座らせ、立たせてみたり、「秕(しいな)は舞い出ろ、実は残れ」と歌って邪気を払って成長を願う地域もあります。
箕を特別に思う気持ちは、おそらく朝鮮半島から日本に伝わったもの、韓国ではお正月に福箕が売られたり、おねしょ直しに使われたりします。
この箕を使っている、興味深いYouTubeがあります。韓国語ですが。
2026年8月2日日曜日
水運び
先日、MSさんとHTさんが来たとき、2階の展示室で、
「あっ、これモンの刺繍だ!」
「カンボジアの漁具のミニチュアだ。こんなのができていたんだ!」
などと、ものを見ることで忘れている昔のことをいろいろ思い出して、話が弾みました。
「これはアフリカのものだよね?」
とMSさんが指したのは、カンボジアのラッタナキリのひょうたん(ユウガオ?)でした。
「これはカンボジアのひょうたんよ」
「えぇっ、カンボジア? こんなひょうたんがあったんだ!」
「模様つきは珍しいと思う、これ以外には見たことがないから。HSさんが駐在していたころは、まだラッタナキリには行けなかったよねぇ」
ラッタナキリへはメコン川を船で上るか、あるいは飛行機で行くかしか交通手段がありません。MSさんがカンボジアにいた1990年ごろは、ラッタナキリは封鎖されていたし、行こうとしたとしても高速船もなかったし、飛行機も飛んでいませんでした。
ひょうたんは水入れには最適な形をしていますが、ひょうたん原産地のアフリカでも水入としては使われていません。おそらく、ラッタナキリの男性が話していたように、ひょうたんには水を入れ続けないとカビが発生して、健康を損なうことを誰もが経験的に知っていて、生水は別の方法で保存したに違いありません。
飲料を持ち運びたいときは、水ではなく、ソマリアのようにラクダの乳をヨーグルトに変えながら行くとか、モンゴルの馬乳酒やガーナのピトー(雑穀を発酵させたビール)のように、発酵させたものを運ぶ方が、健康上安全だったと思われます。
さて、ラッタナキリの水入れといえば、節と節の間が長い竹の話を、二人にしないわけにはいきません。
水を入れて運ぶには最適の大きさ、清流から水を汲んできたら、他の容器に移す必要もなく、家に数本立てかけておいて使えばいい。水浴びのときや畑に行くついでに、子どもから老人まで1本ずつ運べる、とても優れた水の運搬容器であり、保存容器でした。
たけちゃんにちょっと持ってみてもらいました。
たけちゃんは手だけで支えていますが、肩に担ぐともっと重さを感じなくなります。
2026年8月1日土曜日
木工作
今日は、東京藝術大学の夏休み講座の「みんなで作る木工作」に、別の用事がある息子に代わって、たけちゃんのつき添いで行ってきました。親子で一つの作品をつくっているカップルもいれば、親子別々のものをつくっているカップルもいました。
土曜日日曜日、土曜日日曜日と4日間の講座で、たけちゃん父娘は先週すでに「うさぎの椅子」(たけちゃんの後方)を作り終えていて、「うさぎのテーブル」の甲板もできていて、3日目の今日は、甲板につける脚をつくらなくてはなりません。
脚材は、杉板から手鋸で挽いてつくります。
たけちゃんは、うさぎの椅子につける補強材をつくっています。先生たちは教えるのがうまい!
45度に材を切ったり、
鉋を使ったりと、小学2年生は頑張ります。
ハロウィンのお化けみたいなのをつくっている親子もいます。
他には、本棚みたいなの、車の形をした棚など、すべて子どもの発想の具体化です。
私が代理を務めた一日は、主にテーブルの脚をつくった一日で、ほぞ穴を開けて、ほぞを組んで、ボンドを入れて叩き入れて、明日までしっかり接着するのを待ちます。
代理の私は何をした?
どんな役割か知らず参加しましたが、杉板から縦挽き鋸で脚材を切り出したり、ほぞ穴を開けたり、時間が余ったので木皿をつくるためにノミを使ったりとけっこう働いて、大汗をかきました。
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